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アンダーアーマーKBCオーガスタゴルフトーナメント 2005

伊沢利光が単独首位浮上

ハーフターンで、相好を崩した。長男・丈一郎くんが駆け寄ってきた。その手に、100円ショップで買ってやったプラスチック製のゴルフクラブが握られていた。
とたんに、子煩悩な父親の顔になった。
優しい声で、話しかける。
「あら〜丈くん、クラブ折れちゃってるじゃないの。また、新しいの買わなくちゃね」。

家では、ただ振り回すだけのおもちゃのクラブ。コースに来ると、大人の真似をして器用にスイングする。その様子が可愛くて仕方ない。
この日26日(金)は、そんな丈一郎くんの3歳の誕生日でもあった。
記念の日のお祝いに、父親から好スコアのプレゼントだ。

好調だったころのゴルフが戻ってきた。特にアイアンショットは「今年、いちばん良い状態」と言い切る。
7月の大会で、オープンスタンスで構えるようにしてからとたんに上り調子。好調をキープしたまま、ここ芥屋ゴルフ倶楽部に乗り込んできた。

先週2週間のオープンウィークのうち、1週間は家族と温泉旅行を楽しんだ。
そして夏休みも残り数日となった今週は、約2年ぶりとなるツアー15勝目をあげるチャンス。
6年前に移り住んだ地元・福岡県での開催ということで、久しぶりに家族揃って応援に来てくれている。
残りの宿題を持って会場入りした長女・優美子ちゃんも、次女・今日子ちゃんも「温泉と同じくらい、楽しいよ!」と、トーナメントを楽しんでいる。

「・・・うちの家族はパパ勝ってとか、ぜんぜん言わない。僕と同じでみんな呑気だからね」とのほほんと笑う一方で、インタビューの最後には、「僕は、(スコアボードの)いちばん左の上に行くことしか考えていない」。
自然と本音がこぼれ出た。

最終日に2000年大会以来の優勝を飾れば子供たち全員に、これ以上にない最高の夏の思い出を作ってあげられる。
  • ハーフターンで長男・丈一郎くんと手をつないで歩く伊沢。ちょうどこの日が丈一郎くんの誕生日だった。

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