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日本オープンゴルフ選手権競技 2005
川岸良兼「腐りもせず、諦めもせず」
「ありがたかったし、励みにもなったけど・・・。1番のティグラウンドは、やっぱりドキドキした。本当はこの緊張がなくなるくらいでないと、いけないんでしょうけど・・・」。
スタートホールから、ボギーが先行した。フロント9で、いちどは優勝戦線から脱落した。
「正直、“もういいか”と・・・。悲しいけれど、そういう気持ちになってました」。
しかし本人も思いがけず、バック9で盛り返した。
「良いショット、パットが決められたことで、立ち直れた」。
16番で、1.2メートルにつけて連続バーディ。
首位と1打差の通算1アンダーで迎えた18番。
「まずフェアウェーだ、と思ってティショットを思い切り振ろうと、思ったけれど・・・でも振り切れてませんでしたね。飛んでませんでしたから」。
第2打を、グリーン奥のラフに打ちこんだ。
そのアプローチがピンをオーバーした瞬間、池の向こうの練習場から林を越えて、ドっと大きな歓声が聞こえた。
片山が、仲間と勝利を祝う声。ゲームオーバーの合図。
「みなさんの期待には応えたかったんだけど・・・。でも、今日の内容には満足しています。腐りもせず、諦めもせず、最後までやれたから」。
2位タイにも、手ごたえは十分にあったようだ。