Tournament article
コカ・コーラ東海クラシック 2005
谷口拓也「曲がっても、状況を楽しめるかが大事」
左打ちは、最近の谷口のお気に入りだ。昨年からスイングや体のバランスを整えるために練習に取り入れるようになったのだが、「それでけっこう上手く打てるから」。
昨年12月に“初ラウンド”を試みて、ハーフ50で回ってきた。
「バンカーショットとか、高い球のアプローチが特に難しくて。アマチュアの方の気持ちが分かった気がした。
初心に戻ったみたいで、とても楽しかった」。
これに味を占めて以来、ちょくちょく回るようになった。
わざわざ、レフティ用のクラブをそろえ、いまではドライバーで250ヤード飛ばすほどだ。
今回、東北福祉大の先輩との対戦は“初ラウンド”の谷原が95、谷口が86で「谷さんに、きっちり勝っときました」と、喜んだ。
「ゴルフはエンジョイすることが大事」が口癖だ。
一時は理論派を目指したこともあったそうだが、理想のスイングにこだわりすぎると思うような成績も出ないし「何より、自分には似合わない」と断念。
「それより、曲がってもその状況を楽しめるかどうかが大事」。
そんなゴルフスタイルを存分に発揮した、初日のプレーぶりだった。
次週の日本オープンの会場の兵庫県・廣野ゴルフ倶楽部を下見するなど先週は、月曜から金曜までみっちり調整を重ねたはずだった。
「なのにこの日はフェアウェーキープが2ホールだけ」。
なぜか、ティショットが乱れまくって苦労したが「どうせなら、曲がるだけ曲がれ、と(笑)。開き直った分、欲がないのが良かった」。
前半の14番パー4では、残り90ヤードの第2打をピッチングサンドでチップインイーグル。
18番では、15ヤードの第3打をサンドウェッジでこれまた直接入れて、バーディを奪うなど66でまわって2位タイの好スタート。
ホールアウト後は「明日は分かりませんよ。今日はたまたま。・・・ほんっと、たまたまだったんですから」。
“たまたま”を、しきりに繰り返して笑いを誘っていたが・・・。