Tournament article
アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2005
広田悟「取材を受けるようなゴルフをする」
スライスを打とうとしているのにフックが、フックを打とうとしているのにスライスが出る。
「逆球ばっかり出て、思い切り振れなくなった」。
散らばるティショットをアプローチ、パットで補おうとするが「普段、調子が悪いショット練習ばかりに時間を割いているから、小技がおろそかになる」。
スコアをまとめるどころではなく、ため息をつく日々が続いた。
10月の日本オープン。見かねた片山が、練習ラウンドに誘ってくれた。「何してんの広ちゃん」。叱咤激励を受けながら廣野を回り、ヒントを得た。
結局、その週も予選落ちしてしまったが、復調のきっかけをつかむには十分の2日間だった。
片山からもらったアドバイスを元に、今年から教わっているコーチの堀尾研仁さんと修復につとめ、ようやく兆しが見え始めたのが先週の最終日。
「インパクトで左の肩が逃げている。同じ位置で体を回転させて、左脇を締めて思いっきり振りぬく」。
たちまちショットの曲がりが少なくなって、手ごたえが出てきた。
今週は練習日から、「記者の人に取材を受けるようなゴルフをする」と公言し、この日2日目はボギーなしの66でまわって2位タイ。
インタビュールームに呼ばれ、決勝ラウンドへの豊富を語る広田の姿があった。
翌3日目は“恩人”との、最終組だ。
「試合で回るのは初めて」という片山とのプレーは「目の前で、良いゴルフをして報いたい」。
同時に恩人を下し今季2勝目、ツアー通算2勝目をつかめれば、最高だ。