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マンダムルシードよみうりオープン 2006

佐藤信人「悩みは、いまも現在進行中」

過去ツアー9勝は「すべてパターで勝ったようなもの」。それほど得意だったパッティングに、不吉な兆候が出始めたのは、3年前だった。

ちょうど、欧州ツアーの出場予選会を受験したころだ。
「手に電気が走るようになった」。
それでも、パターの長さを変えたり、握り方を変えたり、「騙し騙し」プレーしていたら、同ツアーの出場権が取れてしまった。

2004年はそのままイギリスを拠点に本格参戦したものの、イップスの症状はどんどん深刻になった。

「入らないのは、自分のストロークが悪いから」。どうにか自力で修正しようともがくうち、出口が見えなくなった。
「手が、動かない・・・」。
欧州で初シード入りを果たしたものの、翌年5月には我慢も限界に達してきゅうきょ撤退。日本に舞い戻った。

「これまで3年間悩み続けて、今も現在進行形」という。

「僕の場合、ショットが人並み以下なのだから、せめてパットくらい人並み以上にしておかないと・・・」。焦りはあるが、いまはどうしようもない。

試行錯誤の末に、久しぶりに長尺パターを握ってこれが2試合目。
長いパターなら「イップス特有の電気が走る感じがない、外れ方としては、こっちのほうがまだまし」と、今週もバッグに入れた。

この日初日は、チャンスの取りこぼしこそなかったとはいえ、6番で7メートルのバーディパットを1.5メートルオーバーさせて3パット。
17番パー3でも、11メートルを2メートルもオーバーさせてやはり3パットしている。

横殴りの雨の中、暫定首位に立ったといっても楽観はできない。
「・・・せめて、今日みたいな感じが続けばいいなあ、というぐらい」。
好スコアも1日だけなら意味がない。
ツアー通算10勝目という、目に見えた結果を良薬にしたい。

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