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三井住友VISA太平洋マスターズ 2006

深堀圭一郎「ビタミン注射以上のパワーをもらった」

今週、ドライバーとアイアンを新しいものに変えた。昨年覇者のダレン・クラークが「世界一」と賞賛した御殿場の高速グリーンと、富士の山から吹き下ろす強風に備えるためだが「僕はもともと、なかなか替えるほうじゃない」。

ドライバーは1年ぶり、アイアンに至っては4年ぶりの冒険。
「はじめは順応できず、拒否反応で大きくブレた」が、危険は承知の上だ。
「それでも、クラブの特性を生かして、アゲンストの風にも強いボールが打ちたかったから・・・」。

今年38歳。
そろそろ、ベテランと呼んでも良い年齢に達すると同時に、下からの突き上げはますます激しくなる。

その中で、上位で戦い続けるにはどうすれば良いか。
「新しい自分を見つけるためにも、常にチャレンジし続けること」。
そんな強い思いに突き動かされたクラブチェンジ。

一時期、イップスの症状に見舞われたパッティングは今も格闘の日々だ。
もともと、バックストロークでヘッドの動きを目で追うクセがある。
「そのせいで、微妙にラインがずれて、低いフォロースルーができない」。
その解消として、日課にしているドリルがある。
「アドレス時に口にくわえたティーが、常にボールを指すように打つ」。
その状態で100球連続でカップインできるまで練習を続ける。
「おかげで、目の動きが少なくなって、安定したストロークができるようになった」。

そんな地道な取り組みが、強風が吹き荒れたこの日初日に生きた。
「この条件で、5アンダーは上出来です」と満足そうだ。

前日水曜日には、「ビタミン注射以上のパワーをもらった」。
大親友の丸山茂樹が、ひょっこりと御殿場に現れたのだ。

「彼の持つ人間としてのオーラ。人を引きつけてやまない明るさ。彼がそこにいるだけで元気になる・・・」。
1歳年下ながら、尊敬してやまない“後輩”と少ない時間の合間に朝の練習場で、これからの日本ツアーについても話し合った。

「海外で頑張ることも大事だけれど、自分たちの国のツアーをもっと強くしていかないと・・・」。
お互いにいま、その責任感を強く持っていること。
「もっともっと、日本ツアーをよくしていきたいと思っていること」。
それを確認しあえたことで、ますますやる気が沸いてきたのだ。

2位タイの好スタートに「・・・今週は、僕がその主役になれればいい」。
持ち前のど根性が、ますます首をもたげている。



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