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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006
シード落ち決定か・・・QTに臨む選手たち
今大会では是が非でも予選通過をして、最終日に望みを残したいところだった。
だが通算2オーバー78位タイでの予選落ちに、シード落ちが決まった。
89年から18年間、シード権を守ってきた。
もっとさかのぼれば、小田原相洋高時代には当時のベストジュニア賞にあたる『ジャック・ニクラウス賞』を受賞。
日大時代には日本アマをのぞくほとんどのタイトルを総なめにした経歴の持ち主が、次週29日から茨城県のセントラルゴルフクラブで始まるファイナルQTの会場に向かわなければならなくなった。
「今年は、ケガとゴルフの両立が非常に難しい1年。予選会・・・という制度になってから初めて出場する予選会。とにかく、来年も出られるように一生懸命やるだけです」と、言葉少なだった。
賞金ランク74位、初シード入りまであと一歩というところまで来ていた清水洋一(=写真中)もそのひとり。
この2日間で奪ったバーディはこの日13番でのわずか1個。
「これだけパットが入らないともう・・・」と、苦しげに目を閉じた。
昨年の賞金ランクは79位だった。やはり、初シードまであと一歩のところまで来ていたが実現しなかった。
これで7度目のファイナルQT。
「あの独特の雰囲気はよく知っている。・・・シードを取る実力がないっていうことなのかな」と、うなだれたが落ち込んでばかりもいられない。
「今年もQTで頑張って、必ずツアーに戻ってきます!」と懸命に気を取り直していた。
2004年のマンシングウェアオープンKSBカップでツアー初優勝をあげて初シード入りを果たした三橋達也は、本来はゴルフどころではない。
3週ほど前から体調を崩し、一時は味覚も感じられないほど。
今週ようやく検査を受けて、いまはその結果待ちだ。
そんな状況で、集中できるはずもなく予選落ちしてしまった。
次週のファイナルQTで起死回生を図るべきところだが、そんな気持ちにさえなれない。
「・・・とにかく、体を含めて3年くらいかけて気長にやり直すつもりです」と、話した。
今年シード復帰を目指す井戸木鴻樹(=写真下)は、現在賞金ランクは68位と“圏内”だが、予選落ちしたことで一気に危うい立場になった。
もし、ランク外の選手が揃って逆転シード入りを果たせば、弾かれる怖れも出てきた。
またたとえ、今年のシードのボーダー線の73位には踏みとどまれても、賞金ランク89位の今野康晴が、次週のゴルフ日本シリーズJTカップに出場する。
賞金シードに食い込む可能性があるために、井戸木はとりあえずファイナルQTの会場に向かうしかない。
「来週はドキドキの1週間・・・」と言い残してコースを去った。
シード権争いの選手にとって、事実上の最終戦となる今大会2日目は、さまざまな人生模様が浮き彫りになる。