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アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2006

ジーブ・ミルカ・シン「日本でもぜひ勝ちたい」

「体調は良くないんだよ」とのコメントも疑いたくなる。出だしの10番など、この日1日2イーグルの65。インドのジーブ・ミルカ・シンが、通算13アンダーで首位を守った。

体調不良がウソのようだが、ウソではない。今週、スペインから戻ってきたばかり。
長時間の飛行はジワジワと首、肩、腰に来る。
時差ボケも、避けられない。
海外を含めた連戦に、疲れは澱のようにたまっている。

しかも9月のアコムインターナショナルで、丈高いラフから強振して右手を痛めた。
「医者には3ヶ月、ゴルフをしないほうが良い」と、言われているが「僕にはそんなヒマがない」。
このあとはアジアンツアー賞金王をかけて中国にとび、香港を経て、再び日本へ。

長期休養は、クリスマスまでひとまずお預けだ。

そんなハードなスケジュールを微塵も感じさせないゴルフができるのは、12歳から始めたヨガのおかげだ。
朝、シャワーを浴びたあと、床にバスタオルを敷いて始まる。
静かに呼吸を整えて30分。毎日の日課だ。
「これで、どうにか戦う準備ができる」。
疲れていても、ゴルフ自体は依然として絶好調をキープすることができるのだ。

先週の欧州メジャー『ボルボマスターズ』の優勝賞金は約1億円。
今年4月に勝った欧州&アジアンツアー共催の『ボルボチャイナオープン』は約4000万円だった。
そして、今季の日本ツアーでは未勝利ながらトップ10入り9回、予選落ちなし。
現在賞金ランク18位は、4553万8173円・・・。

この日、シンのひとつ前の組で回り、ハーフターンのインターバルでシンと雑談した韓国のI・J・ジャンが言ったものだ。
「いま、彼は120%の自信でプレーしている」。

どれだけ荒稼ぎしても、飽き足らない。
「日本でもぜひ勝ちたい。残り2日も、そんな強い気持ちを持ってやる」。
高いモチベーションを保ったまま、決勝ラウンド進出だ。


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