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中日クラウンズ 2006

川原希「付け入る隙もない」

身長183センチ。片山より頭ひとつ分以上も背の高い川原が、この日ばかりは小さくなった。前日2日目に63を出した勢いも、どこかへ行ってしまった。

「だってシンゴを見ちゃうと・・・。格が違う。彼とは何回か優勝争いをしてきたが、その中でも一番良いゴルフをしている」。

最終18番。絶好の位置から、ミスをした。第2打はグリーンに届かず、長いパーパットを沈めてなんとかしのいだが、「あのセカンドは・・・本当にヘタクソで。涙出そうになっちゃった」という。

それに引きかえ、片山がこの日おかしたミスらしいミスは、グリーン右に外した14番のセカンドショットだけ。
ほぼ完璧なゴルフに「あの集中力。付け入る隙もない。完全に負けている」。
川原も3アンダーの67でまわっているし、けして悲観する結果でもないとはいうものの、王者のゴルフを目の当たりにして、早くもお手上げ状態なのだ。

このオフ、片山は尋常ではないトレーニング量を積み、マスターズを含めすでに世界で数試合をこなしてきた。
最終日を前に許した5打差がそのまま、実力と経験の差のよう思えてしまう。
「あれだけ勝ってきた人が、5打差もつけて負けるとは思えないけど。明日は、僕も良いゴルフができる・・・かもしれないし、何が起きるか分からないし、けっこう良い勝負、・・・をするかもしれないし・・・」。

とても威勢の良いコメントが言える心境ではないようだった。最後まで語尾を濁した川原だったが、ただひとつはっきりと言えることは、「明日はシンゴ以上の集中力を発揮してプレーしないとダメ」ということだ。

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