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日本オープンゴルフ選手権競技 2007

深堀圭一郎「コースには、負けていなかったと思う」

206ヤードの14番パー3で、奥から約10メートルのアプローチをチップイン。首位の谷口に1打差まで詰め寄って、握り締めたガッツポーズは2回。
「絶対に勝ちたい」。その気持ちがもっともほとばしり出たのがこのシーン。

是が非でも欲しい2度目のタイトルは選手会長に就いた今年、実現することにこそ大きな意味があった。
ツアーの顔として、積極的にスポンサーとの交流を図る中でよく言われることは、「会長の成績が上がると、ゴルフ界は必ずよくなる」ということだった。

選手会長という制度ができてから、就任年にこの日本オープンを制したものはまだいない。
「会長をしたからといって、成績が下がるとは思えない」。

誰よりも責任感の強い男が最高峰のこの舞台で、それを証明しようとしてみせた。
首位と5打差の3位タイに浮上した前日3日目は「僕自身、期待しているしここに照準をあわせてきた」と、言ってはばからなかった。
日光で行われた2003年大会も、5打差からの大逆転だったのだ。

有言実行のためには3打、足りなかった。
「最初の2つのボギーが痛かった。それでも気持ちを切らさず頑張った」。
谷口には負けたが、通算スコアでアンダーパーをマークしたのは深堀を入れて4人しかいない。
「コースには、負けていなかったと思う」。
最後まで、リーダーをがむしゃらに追いかけた充実感で一杯だった。

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