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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2007
佐藤信人「追い詰められて、開き直った」
はじまりは11番パー4だった。9番アイアンで60センチにつけて勢いづいた。
続く12番は、7番アイアンで4メートルのバーディチャンスを決めた。
13番は、ピッチングでこれまた50センチで3連続。
さらに圧巻は上がり3ホールだった。
ピンまで230ヤードの第2打を7番ウッドで右7メートルに乗せて、これをねじこみイーグルだ。
残り2ホールもがっちり沈め、ハーフトータル29は自身2度目の快進撃。
「予選落ちも意識した」という前日初日の順位は1アンダーの36位タイ。
それが一気に3位タイ浮上は、いよいよ完全復活の兆しだろうか。
98年と2000年の本大会チャンピオン。
さらに2002年には、自己最高の賞金ランキング2位につけて、飛ぶ鳥を落とす勢い。
このころは、特にパッティングが絶好調だった。
「というより、良くても悪くてもパットで悩むこともなかった」。
強気のストロークでチャンスもピンチも入れまくり、ツアー通算9勝のうち、「パットだけで勝った」と謙遜した大会も少なくない。
持病の腰痛の影響もあり、スランプに陥ってから3年。昨年は賞金ランク80位のどん底も、今年はようやくトンネルから抜け出して、ホっとしたのもつかの間だった。
2002年の日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ(現・UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ)の優勝で得た長期シードが今年一杯で切れることになり、今度は気持ちの余裕がなくなった。
「これでダメなら来年の職を失う。いよいよ追い詰められて、開き直った」。
9月のフジサンケイクラシックで5位タイにつけ、どうにかメドがついたら「気が楽になった」。
現在、獲得賞金約1100万円は「あと何試合か確実に予選通過できれば」と、踏んでいたが今週の上位進出にはもっと欲張っても良さそうだ。
「今もまだ、ややもするとパッティングで悩み出すし、爆弾を抱えてることには違いないけど・・・」。
久しく見せなかった笑みがこぼれた。