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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2007

石川遼くんが2試合連続の予選落ち

原因を聞かれた石川くんは「う〜んと・・・」と言ったきり、唇を真一文字に結んだままうつむいた。黙り込んだまま30秒。再び顔をあげて、ようやく答えた。「何でこんなに打ってしまったのか・・・。自分でも分かりません」。

この日、バーディがひとつも取れなかったラウンドがツアー初なら、86ストロークはもちろん自己ワースト記録。
というよりも、むしろ記憶をたどれば「86なんて、中学に上がってからは打ってないかも」というほどの乱れように「ゴルフの調子は良かったのに・・・」と、首をひねった。

しいて挙げるならスタートの1番だろうか。
フェアウェーからの第2打をグリーン右に外して寄せきれず、1.5メートルのパーパットを外して「テンションが落ちた」。
その直後から「糸が切れたように、ボギーが出た」。

ティショットは曲がり、リカバリーもうまくいかない。アプローチも寄らず、パットも入らない。
「距離感も合わなかった」。
4番でティショットが突き抜けて左のラフ。残り148ヤードの第2打は、「8番アイアンで低い球を打とうとして「フライヤーした」。ボールはキャリーでグリーン奥に消えた。OBのトリプルボギーに、みるみる血の気がうせていく。

43でハーフターンしたバックナイン。
ミスがミスを呼び、ツキにも見放された。
13番で林から脱出しようとした第2打がロストボール。
「信じられなかった」。
アプローチウェッジで木を超えようとしたショットが、木に引っかかったまま落ちてこなかった。同組の近藤、手嶋も一緒になって見上げたが見つからなかった。

ダブルボギーを打って、修復不能――。
最終18番もティショットを木の根元に打ち込んでとどめのボギーを打った。
「曲がったときは、ちゃんとペナルティがあるのが当たり前。それがフェア」と自分自身に言い聞かせながらも「やっぱり悔しいです、すごく・・・」と、つぶやいた。
「手嶋さん、近藤さんにも申し訳ない」とうなだれた。

初めての2週連続のツアー参戦。
その感想を、聞かれて言った。
「それは、2週連続で予選を通ったときに初めて言えること。考えが甘かった・・・」。

ツアー5戦目はもっとも厳しいラウンドとなってしまったが、その中にも「新しい発見があるかもしれない」と16歳はすぐに前を向いた。
史上最年少優勝と同様にこの先、その身に起きること、すべてが初めての経験。
だからこそ失敗もするし、またその中にこそ成長できるチャンスがある。

「今週は調子が悪かった、で終わらせずこれで上手くなれる、と思ってやりたい」。
3週後の三井住友VISA太平洋マスターズにむけて「また一杯練習したい」。
最後にまっすぐ顔を上げた。

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