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三井住友VISA太平洋マスターズ 2007
石川遼くんは3試合ぶりの予選通過
18位タイからスタートしながら2日目に突然の乱調で最下位まで落ちて、2試合連続の予選落ちを喫したのは前回のブリヂストンオープン。
父・勝美さんは、落ち込む息子をこう諭した。
「最下位になっても、遼の人生は終わるわけじゃない。結果がどうあれ、それをプラスに変えられるかどうかが大事なんだ」。
また、杉並学院高の吉岡徹治・ゴルフ部監督はこう言った。
「プロだって、毎日良いスコアで回ってるわけじゃない。優勝する選手でも、伸ばせない日はある。ただ辛抱して、後退する日を作らないこと」。
胸にしみ入る2人の言葉に、16歳は悟った。
このツアー6戦目は「僕にとって大事なポイントになる」。
苦い思い出をプラスに転じるためにも、「絶対に同じ失敗は繰り返さない」。
強い決意で臨んだ今大会だった。
苦手な1番でグリーンを外したが、ロブショットで2メートルに寄せてパーをセーブ。
たとえミスしても「流れがくるまで絶対に辛抱しよう。頑張らなくてもいいから、踏ん張ろう」と、言い聞かせた。
5番でグリーン奥に外してボギーが先行したが「“まあいいや”の5文字で終わらせて、気持ちを切り替えよう」と冷静に、ひとつ落としてもすぐに取り返すゴルフで食い下がった。
「ボギーを打っても、ズルズルとスコアを落とさなくなった。ボギーを打っても、次のティショットを曲げたりドタバタしたゴルフはしなかったから。予選落ちしたときとは、気持ちの持ちようが違った」と、満足そうに振り返る。
「久しぶりの決勝ラウンドは、相当楽しみ」と、石川くん。
「一緒に回らせてもらうプロの方々のルーティンや持ち味をつかんで、自分なりに足りないところを肌で感じたい。気持ちのよいプレーで、御殿場に挑戦していきたいです」。
この2日間は「今まで出たトーナメントの中で、いちばんスイングに注意してラウンドしている」そうで、その中で確かな手ごたえをつかんで臨む週末は、より多くの実りがあるはずだ。