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ダンロップフェニックストーナメント 2007

イアン・ポールターが日本ツアー初制覇

大会ではマスターズよろしく、前年度覇者からチャンピオンブレザーを受け取るのがならわし
あの石川遼くんが大ファンということで、一躍日本でも有名人となった31歳が、実力でもその名を知らしめた。イングランド出身のイアン・ポールターが、2年連続2度目の出場で日本ツアー初優勝を射止めた。

この日最終日は強い風が吹き荒れる中、序盤で幾度か絶好のチャンスを外し、6番のパー3ではバンカー目玉。いよいよボギーを打った。対して同組のルーク・ドナルドがピタリと寄せた。バーディで並ばれたが「これからが、本当のゲームの始まり」と動揺は微塵もなく、続く7番でグリーン奥から6メートルのパーセーブ。

12番ではバンカーから寄せきれず、カラーから13メートルもの長いパーパットを残したが、「最初スライスして最後に下り」という難しいラインをみごとにねじ込んだ。
「無理にバーディを狙いに行くのではなく、まずトラブル回避に徹した」というプレーぶりははからずも、火曜日の練習ラウンドで一緒に回った石川くんにアドバイスした。「ミスしてもパーを拾うゴルフ」の最たる手本を、自ら本番で実践してみせたのだ。

初日から一度も首位を譲らなかった。
完全優勝は過去7勝のうち、初日に61をマークして勝った2002年のイタリアオープンや2003年のウェールズオープンなどでも経験済みの得意の勝ちパターン。

しかし今季は一度も勝てないまま、ついにこの自身の最終戦を迎えていた。
「ストローク競技では、僕にとってこれが最後の試合。ぜひ勝ちたかったこの大会で、しかも日本で今季初優勝をあげられたことが嬉しい」と、ついに有終の美を飾って喜びをかみ締めた。

すでに二児の父ながら、結婚したのは7週間前。11年間の交際を実らせて妻・ケイティさんと正式に籍を入れたことで、父親の自覚が深まった。
今週は母親と自宅で待つ5歳の長女エミリーちゃんと、3歳の長男ルークくんとインターネットの動画電話を毎晩欠かさず、「パパ頑張って」との励ましに発奮。
「彼らの存在が、何より安心感を与えてくれる」と、家族のサポートに改めて感謝した。

表彰式で、来年はディフェンディングチャンピオンとして帰ってくることを、約束した。
憧れの人を祝福しようと、待ち構えていた石川くんにはこんな力強いメッセージを残した。

「来年はかかってこい!」。

石川くんは、まず何よりそのファッションに目をひかれて彼を好きになった。
そんな石川くんとの初対面を喜んで、きゅうきょ、自らデザインを手がけるブランド「IJP」のウェアを母国から取り寄せプレゼント。最終日には色違いのペアルックで戦うなど、何かと世話を焼いた1週間。
そして最後に堂々と頂点に立った。
ゴルフの面でもヒーローぶりを発揮して、16歳のハートをますます引き付けてしまった。

写真上=ハリントン(左)から着せ掛けられたチャンピオンブレザーもチェックで、その日のパンツと柄がかぶってしまったが、スラリと長身のポールターには不思議としっくりと似合っていた。

イアン・ポールターIAN POULTER
1976年1月10日生まれの31歳、イングランド出身。
父の手ほどきを受けて4歳でゴルフをはじめ、19歳の1994年にプロ転向。
1999年にチャレンジツアーで1勝をあげて、翌年欧州ツアーに昇格すると、その年のイタリアオープンでツアー初優勝。以後、コンスタントに勝ち星をあげて、現在欧州ツアー7勝。
米ツアーと掛け持ち参戦の今年は優勝には手が届いていなかったが、安定した成績を残して賞金ランクは19位。身長185センチ、体重86キロ。
  • 浅井光昭・大会会長から受けた念願の優勝トロフィー!
  • 宮崎県知事賞の「宮崎牛一頭分」の贈呈に、東国原英夫知事も駆けつけチャンピオンを祝福してくださった

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