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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2007

初シードにかける選手たちの明暗

カシオワールドオープンは予選2ラウンドを終えて、初シード入りを狙う選手たちの明暗が分かれた。ランク69位につける井上忠久は、通算2オーバー33位タイで決勝ラウンド進出。
今年は、規定試合数に満たない選手を省いた上位75位がボーダーラインだ。すでに圏内に位置しているだけに、無事予選通過を果たしたことで、初シードにますます弾みがつきそうだ。

また、ランクは“圏外”の85位だが、今大会の予選通過で初シードに望みをつないだのが24歳の松村道央(=写真中)だ。
デビュー元年の今季は出場全6試合で決勝進出。
しかも、二部ツアーのチャレンジトーナメントでは最後の2試合で連続優勝を果たして賞金ランク1位につけた。

来季ツアーは1年を通じて出場できる権利を手に入れて、満を持してこの自身のツアー最終戦を迎えた。
「確かに、来年の出場権をすでに持っているということで、他の人より安心感はあるかもしれない」。
しかし、ここまで来たらプロとしてさらに上を狙いたい。
「もちろん賞金シードのほうが条件が良いし、せっかくのチャンス。残り2日もガンガン行きます」。
ルーキーが、逆転のシード入りに燃えている。

一方、夢が絶たれたのが現在、ランク77位につけていた佐藤えいち(=同下)だ。この日の予選カットラインは4オーバー前後になるだろう、ということは分かっていたが、通算4オーバーで迎えた後半の8番で3パット。
手前の段の下から13メートルのバーディパットを2メートルもオーバー。
返しも外してボギーを打って、祈る思いでホールアウトだ。

「5(オーバー)ですよね?」と、何度も周囲に確認しながら他の選手のスコア状況を見守っていたが、ついにカットラインが4オーバーから動かなくなったころ、キャディバッグを自らかついで悄然とロッカールームからあらわれ、宅配便のデスクに並んだ。

6月のミズノオープンよみうりクラシックで自己最高の2位に入った。同大会上位2人の資格で7月の全英オープンにも挑戦。まだシード権もない選手のメジャー初挑戦は、チャレンジ組にも大いに夢と希望を与えたものだ。

同時に初シード入りにも王手をかけたか、と思われた。ボーダーラインまで、あとわずかだった。今週、予選通過さえしていれば逆転もありえる順位だった。

「この状況にシビれてやって、ミスしたりしたらつまんない。今週は頭の中もかなり冷静に、楽しんでプレーできていたんだけれど・・・」。
温和な笑みは表情に残したまま残念そうに肩を落とし、次週28日(水)から始まるファイナルQT会場のセントラルゴルフクラブに向けて、必要な荷物を発送していた。

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