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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2007

初シードに“挑む”

100人中99人がこう言ってくれる。「忠久は、もう大丈夫でしょ」。何度、そう言われても安心できない。現在、賞金ランク69位。しかも、今年は規定試合数に満たない選手がシード権のボーダーラインの同ランク70位までに4人いる。
15位のイアン・ポールターと、35位のカミロ・ビジェガス。49位のゴンサロ・フェルナンデスカスタノと68位のルーク・ドナルド。さらには、ランク72位につけるアダム・スコットがシード権から省かれるから、実質ランク75位までが、現状のボーダーライン。

もっとも、ランク外の93位につけるジーブ・ミルカ・シンと、101位のWリャンの欧州ツアー組が次週の最終戦ゴルフ日本シリーズJTカップに出場するため、2人が75位内にランクインしてくる可能性がある。

今週たとえば74位、もしくは75位に終われば、次週には権利を失う恐れがあるため予断は許さないが「それにしたって忠久は大丈夫でしょ」と畳み掛ける周囲の言葉に、ガンとして井上忠久(=写真)は首を振る

「・・・こう見えて意外に心配性なんでね」と笑ったが、本音は別のところにある。
「ボーダーラインを気にするよりも、もっと上を見てプレーしたい」。
シード権を気にしてゴルフをすれば、きっとそれ以上のゴルフが出来なくなる。
「だって、目標はそこじゃないんだから。僕の仕事は、出来る限りランキングの上位で終わること」。
下を見るより、常に上を見据えたゴルフがしたい。
今週より着実にランクを上げれば、おのずとシード権は手に入るのだ。

「今週はガツン、と行きますよ!」。
無事、ランクインすれば念願の初シード入り。プロ8年目の31歳が、いま転機を迎えようとしている。

※今週のカシオワールドオープンで、初の賞金シードを目指す選手は井上のほか、賞金ランク77位の佐藤えいち、同83位の海老根文博、85位の松村道央らがいる。

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