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長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2007

6位タイの矢野東

大学時代の同期で、今もライバルの星野英正と最終日最終組で回りながら揃って崩れたのは昨年大会。「2人が同じ組で回ると必ず崩れる」とのジンクスを、またも破れないまま星野は2位、矢野は3位に甘んじた。

それだけに、今年はぜひリベンジと行きたいところだが、実際は「とてもそんな気持ちになれない」というのが正直な心境だ。
自身のブログで、「ここ4、5年で最悪の出来事があった」と、打ち明けたのは先月6月。

「僕も普通の男なんです」と明言は避けたが、プライベートで起きたあまりにもショックな出来事が、いまだ尾を引いているようだ。

「ゴルフに、身が入らない。集中できない。今は何をやっても楽しくない」。
試合中にもかかわらず、次の打順を待つ間につい呆然とまったく別のことを考えてしまう自分がいる。
「そんな状況だから、ゴルフに対する欲もない」。

しかし、雨降りしきるこの日初日は、ガツガツとスコアを追わないその姿勢がかえって奏効したようだ。
後半のアウトコースこそ「我慢が続いた」が、前半のインコースは「ほぼ危なげないゴルフができた」と振り返る。

この日は、「目標スコアは、あえて設定しなかった」という。
「目標を決めると、ボギーを取ったときに余計に焦ってしまうから」。
今抱える心の痛みに耐えるのと同じように、ピンチもじっとこらえてチャンスを待った。
17番で10メートルの長いバーディパットを決めた。
ときおり横殴りの雨が降る厳しいコンディションの中、1バーディ1ボギーのイーブンパーにまとめてまずまずのスタートを切った。

傷心の中にあっても、トレーニングは欠かさない。
「何も考えず、オフは頭を空っぽにして3時間走り続けたり、こんな状態だからこそ取り組めることもある」。
先週6日に30歳の誕生日を迎えた今年、念頭に掲げた「米ツアー参戦」という目標もちゃんと胸の奥にある。

いまの喪失感を埋めるには、次のツアー通算2勝目とかでは多分、足りなくて「きっと時間しか解決できないでしょう」。
そう少し寂しそうに話したが、そうやってがむしゃらに夢を追いかけているうちにきっと、いつの間にかいつもの矢野に戻っているはずだ。

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