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バナH杯KBCオーガスタ 2008
伊澤利光が大会3勝目にむけ好位置
「打ち切れないと、ああなっちゃう」と例にあげたのは、同組で回った藤田寛之と小田孔明のパッティング。
「カップに届く前に、切れちゃうんです」。
芝目が強く、クセのある重めのグリーンを制するには「ラインを読み切ったら、あとは割り切って思い切ってヒットすること」。
2度の優勝で刻みつけた芥屋のセオリーだ。
序盤は満身創痍だった。
6月にぎっくり腰をやり、持病の左親指痛も再発。
ほとんどの試合を棒に振っただけに、久しぶりの好発進にいつものエビス顔が戻った。
自宅療養を余儀なくされた間は、テレビ観戦でモチベーションを保つ努力をした。
今季のメジャー戦をすべてチェック。
2003年のマスターズで4位に入った男は「もういちど、あの(メジャーの)舞台に立ちたい」と、画面を通じて気持ちを奮い立たせた。
それと、北京五輪。
いちばん感動したのは、柔道の谷本歩実選手の連覇だ。
「1本勝ちもきれいに決まって、見ていて気持ち良かったし、素直に喜ぶ姿がとても自然で“ああ、いいなぁ”って・・・」。
同時に、ケガでスタートラインにすら立てなかった数人の選手にも思いを馳せた。
「4年に一度の大舞台は、ものすごいプレッシャーに追い詰められながら、みんな必死に頑張っている。僕も、ケガをしても頑張らないといけない・・・」。
オリンピックにおおいに勇気づけられたという。
首位に立つのは、昨年のABCチャンピオンシップの初日以来。
再び表舞台に帰ってきた男は吹っ切れた笑顔で会見場に座り、「今日は悪天候の中でもイメージしたショットが多く打てたから。大事なのは明日。確信が持てるくらい、明日も良いプレーが出来れば優勝の可能性も出てくる」。
3度目の大会制覇を視野に入れた。