Tournament article

ANAオープン 2008

中嶋常幸が2位タイ

この日初日は同組の片山晋呉に「闘志メラメラ」。まして舞台は過去3勝(※全4勝)の実績がある輪厚コースだ。「攻め方が見えてくる」という相性の良いコースで、ツアー通算48勝のベテランが一昨年の賞金王とバーディ合戦。

「張り合いもあって、生き生きとラウンドできた」と、充実感をみなぎらせた53歳。

7月のUBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ以来5試合ぶりのレギュラーツアーは、とことん一新して臨んだ。

まずは道具だ。
ピッチングウェッジとサンドウェッジとパターをのぞいて、「すべてニュークラブ」。
特に、メーカーのスタッフから「今朝、会場で受け取ったばかり」というドライバーは、練習場で5、6発試打するなり「バッチグー!」。
クラブも2年も続けて使うと「強烈に飽きが来る。無性に新しいのが欲しくなる」と、欲望のままの大英断が奏功した。

そしてグリップ。
前日水曜日のプロアマ戦。残り2ホールでひらめいて、インターロッキングに戻した。
右手の小指と左手の人差し指を絡める握り方は、実に30年ぶりという。

いきなりの“原点回帰”はさすがに右の薬指にマメが出来たが「技術的な目標がタイガーだから」。
世界最強の男にならっての好スタートに「やっぱり俺って天才?!」と満面の笑みで自画自賛。

「問題は、まだ残り3日もあること」と、苦笑した。
「これからは、誰かというより自分の肉体との戦いです」と自ら可笑しそうに眉を下げたが、それも飯田光輝トレーナーの献身的なケアでクリア。
だから「最終日まで持ちますよ、大丈夫」。
言い聞かせるように言って、インタビュールームを立った。

※中嶋常幸は83年と85年、90年、93年大会のチャンピオンですが、93年大会の開催コースは札幌ゴルフ倶楽部 由仁(ゆに)コースでした。

関連記事