Tournament article
コカ・コーラ東海クラシック 2008
深堀圭一郎「ここにいるのが奇跡」
「せめて大会を盛り上げたい」。
心も赤く燃やして、ティインググラウンドに立つ。
「恩返ししたい」との思いは、今年は同時に家族にも向けられる。
1歳と6ヶ月になる長女は、ますます可愛さを増していく。
朝は、愛娘の起床とスタート時間との折り合いがつく限り、テレビ電話でおしゃべりするのが日課だ。
まだはっきりと聞き取れる言葉は「パパ」くらいだが、それでもこちらは言っていることはよく分っているようで、「ここ最近は特に、早く会いたくてたまらない」という。
日に日に深くなる家族との絆。
妻・晶子さんは、折りに触れて言う。
「今は流れが悪くても、いつか良いときがきっと来るから。自分を信じていれば大丈夫だよ」。
そんな言葉に背中を押され、この日2日目も首位を死守した。
65を叩き出した初日から思えば1オーバーの73は伸び悩んだ感があるが、本人はむしろ「2日目に、まだここにいるのが奇跡」という。
今だに苦手意識が消えない三好は「僕にとっては、それほどに難しいコースだから」。
それほどの舞台で今年は自身初の首位と絶好の位置で、大会を折り返すことができたのだ。
最終日の18番グリーンサイドは毎年、大会役員のみなさんに迎えられて4日間を終える。
「来年こそ頑張って」との声援を心苦しく感じたこともあるが、「今年こそ、最終日は一番後ろの組で、みなさんと一緒に優勝争いの緊迫感を味わいたい」。
そして必ず結果を出して、晶子さんにはこう伝えたい。
「いつもありがとう!」。
家族の恩に報いるためにも、3日目のムービングデーが鍵を握る。