Tournament article

ブリヂストンオープン 2008

矢野東が今季2勝目

片山晋呉のツアー通算25勝を阻止したのは9月のANAオープン。そして今度は連覇を止めた。まして先週、永久シード入りしたばかりのホヤホヤを討ち取った。

「今日は正直言って、怖かったのはシンゴさんだけでした」と、打ち明けた。
「でも、今日のシンゴさんは優しかった」と破顔一笑、感謝した。

9番から3連続バーディを奪って通算20アンダー。目安にしていた数字に到達した時点で、「なんとなく行けそうかな」。優勝をほぼ確信した。
前の組で回る野上貴夫が16番パー5でイーグルを奪い、3打差まで迫ったが強い気持ちは変わらなかった。

「自分も絶対にバーディを獲ってやる、と気合いを入れました」。
自身も16番で1メートルを沈めて4打差の圧勝だ。

最終日、最終組で回った片山と宮本は、2日目2位につけた横尾と合わせて当時、日大3強と呼ばれた。
2位につけた野上もまたしかり。
3位の丸山茂樹は、その筆頭だ。

“日大王国”を築き上げた錚々たる面々。
その中でも今回、最年少だった矢野は、誰とも世代はかぶっていないが先輩たちが打ち立てた偉大な功績の数々はもちろん知っている。
学生時代も、プロ入りしてからも尊敬し、憧れ続けた人たちだ。

並み居る大先輩をはるか眼下に見下ろして、今季2度目の頂点に立ったことが何にも増して嬉しい。

今夏に「このまま二流で終りたくない」。一念発起で心を入れ替え、酒を断ち、タバコもやめて、「ひたすらゴルフ1本」。
体を鍛え、技を磨いて破竹の勢い。
たちまちこうして結果を積み重ねていることを、誰よりも驚いているのも本人だ。

8月から継続中のトップ10入り8試合目は、9月のツアー2勝目に続く通算3勝目。
これで獲得賞金は自身初の1億円越えで、ランク2位に浮上した。
入れ替わりに3位に後退した谷原秀人の心境を思いやり「ジェラシーだと思う」と、ニヤリと笑った。
ランクトップに679万2343円差と迫り「片山さんの背中も見えてきた」。
初の賞金王も見えてきて、「狙っていく」と、改めて公言した。
「口にすることで自分を追い込んで、余計にプレッシャーにはなるけれど、それを乗り越えるとさらに自信になる。来週も勝てそうな気がしてくる」。

矢野が今年の賞金レースをますます面白くする。

※=写真下「毎日朝早くから本当にありがとうございました!」と、ボランティアのみなさんに感謝の気持ちを。また応援してくださった大ギャラリーには表彰式のあと、サイン会を開いて延々1時間以上もペンを走らせた・・・!!


  • 専属キャディの小岸秀行さんがたまたま用事があって担げずピンチヒッターはトム・ワトソンさん。偉大な選手と同じ名前の名キャディとの呼吸もぴったり合って・・・
  • 荒川詔四・大会会長から受けた今年2個目の優勝カップの重みをひしひしと・・・

関連記事