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ダンロップフェニックストーナメント 2008
イアン・ポールター「これで完璧です」
2日目には3位につけたばかりか、初日にはあの16番ホールでホールインワン。
「メジャーの舞台、しかもオーガスタでしょう。友人も大勢見に来てくれていたし、みんなで一緒にカップインの瞬間を見られたことは、やはり何ものにも変えられない思い出です」。
そして7月の全英オープンは、最後まで争って2位につけた。
「ハリントンが非常に良いプレーをして負けてしまいましたが、メジャーで何度も優勝争い出来たのですから」と笑顔で言うものの、結局今季は未勝利。
やはりこのままでは終りたくない。
「今週は勝つために来た」。
しかし2週前に、それを邪魔するものがいた。
中国・上海で行われたアジアと欧州、豪州、南アフリカ共催の「HSBCチャンピオンズ」は2日目が中止となり、大会3日目は第2ラウンドを終えるなり競技は第3ラウンドに突入。
合間の休憩はわずか20分。軽食をとるために、目を離した5分の間にドライバーを盗まれた。
「新しいクラブを決めるまで、僕は20本以上のクラブを試す」というポールターには大きなショック。
ひとまず代替のクラブで戦ったが14位に終り、次週のアジアンツアー「バークレイズシンガポールオープン」は、依頼していたニュードライバーが本戦当日までに届かないこともあり、きゅうきょキャンセル。
今週のダンロップフェニックスは、いちからクラブセッティングのやり直しだと、失意のまま予定より早めの会場入り。
しかしフェニックスカントリークラブに足を踏み入れるなり、ポールターの目が輝いた。
クラブハウスの玄関を入ってちょうど正面、磨き込まれたガラスのショーケースの中に、見覚えのあるものが…!!
昨年の優勝を機にコースに寄贈した愛用のキャディバッグとドライバーに「これしかない!」。
さっそく取り戻してシャフトを交換。
記念に書いたサインも消して「これで完璧!」。
準備は整った。
改めて「今週、勝ちます」。
連覇を誓った。