Tournament article

ダンロップフェニックストーナメント 2008

地元出身の甲斐慎太郎「宮崎をどうぞ“たべてん”」

コースから車で約2時間の延岡市出身。甲斐慎太郎にとって、地元・宮崎で行われるダンロップフェニックスは幼いころから、憧れのトーナメントだった。
大会主催のダンロップ契約プロ。
しかし日照時間の関係で、限られた人数しか権利がないばかりか毎年海外の強豪が集結するこの国際試合は推薦を受けることすら難しく、チャンスが巡ってこなかったが、プロ5年目の今年はようやく自力で出場権をゲット。

8月のバナH杯KBCオーガスタでツアー初優勝をあげて、晴れてシード選手の仲間入り。初出場が実現した。

いよいよ開催週の17日・月曜日は、前週の大会から飛行機で移動してきた甲斐の“凱旋”を祝うセレモニーが宮崎空港で盛大に行われた。
イベントを通じて県民の期待をひしひしと感じた甲斐は「ものすごく有り難くて嬉しい反面、ものすごいプレッシャー(笑)」。
声援を力に変えて、本戦での健闘を改めて強く心に誓ったものだ。

空港では甲斐のほか、前週の15日(土)には昨年覇者イアン・ポールターの歓迎セレモニーも行われたが、いずれのイベントも県内の官民約40団体で構成される「みやざきゴルフマンス実行委員会」が“仕掛け人”。

会の発足は5年前だった。
11月の宮崎は冬間近のこの時期でも気温17℃前後と温暖な気候に恵まれていることもあり、今大会の翌週には宮崎カントリークラブで女子ツアーの「LPGAチャンピオンシップリコーカップ」が行われるなど、ビッグトーナメントがひしめく。

ゴルフ一色に染まるこの時期に、県をあげて大会を盛り上げていくことで、スポーツが盛んな宮崎県という印象を全国的に広め、“来宮者”を増やし、県の活性化につなげていこう…。

そんな思いから11月を“ゴルフマンス”と、また大会期間を挟んで前後の10月〜1月を“ゴルフマンスキャンペーン期間”と定め、活動に励まれてきた経緯がある。

特に県内のゴルフ場との連携を図り、市内各地で抽選会や大会関連のトークショーなど大会期間の前後に各地でさまざまなイベントを開催することで、大会告知にも一役買っている。
今や県ばかりか日本を代表する一大トーナメントのひとつへと成長しているのもその成果にほかならない。

ダンロップフェニックスの2日目には、会場のフェニックスカントリークラブで“ゴルフマンス”に加盟する県内25のゴルフ場の代表者が初めて一同に介し、今年の反省点や来年に向けた課題についての意見交換会も行われ、来年以降のさらなる発展を誓いあった。

大会目前の10月に発行されたクーポン券つきのフリーペーパー「宮崎たべてん!」もゴルフマンスの一環だった。

今大会の会場をはじめ、県内のコンビニエンスストアや駅売店などで無料配布されているこの雑誌にはトーナメントをはじめ、レジャーやグルメなど地元で役立つ情報が満載だ。

もちろん、甲斐も愛読者。
ダンロップフェニックスはマークセンの今季3勝目で幕を閉じたが宮崎の“ゴルフ月間”はこれからもまだまだ続く。
“たべてん”とは宮崎弁で「どうぞ食べてみてください」とか「どうぞ召し上がれ」といった意味合いで使われるそうだ。
「来週は女子ツアーもあるし、ぜひ我が街をたべてん!」と甲斐。成績は63位に終ったものの、親善大使よろしく愛してやまない故郷を元気にアピールしていた。

関連記事