Tournament article

カシオワールドオープン 2008

石川遼は2アンダーにも

首位とは4打差。しかし石川は納得しない。「今日は良いプレーをしているという感じはなかった」と、笑顔はない。

「ゴルフの調子は良すぎるほどなので、いいことしか浮かばない」と話したのは大会直前の前日水曜日。

しかし実際、蓋をあけてみれば「スイングアークが小さくなっていた」。
それも「きれいな表現をすれば」であって、要は「縮こまって、小さくまとまったスイングだった」と、悔しそうに振り返る。

先週は、単独2位。
獲得賞金も1億円に届こうかという勢いに、これ以上ないくらいの練習を積みながらも、「いまは調子が良いから」と、満足していた部分はなかっただろうか。
「もっと上手くなりたい」という底抜けの欲求も、ちかごろ少し薄れてはいなかっただろうか。

今季は残り8ラウンド。
「その1ラウンド目に進歩のないスイングをしてしまったことが悔しい」と、唇を噛んだ。
夢はマスターズの優勝と、小学校の卒業文集に書いたときから父・勝美さんに口を酸っぱくして言われてきたことは「いつも自分はまだまだだと思って練習しなさい」。
改めていま、思い出した。

「左の肘を伸ばす」。
「左肩をしっかり入れる」。
「左右の体重移動をしっかりする」。

ホールアウト後は、何をさておき練習場に向かった。
スイングの課題をたたき込み、気持ち新たに翌2日目のティグラウンドに立つ。
「明日は気合いを入れてやる。それが出来る自信もあります」。
猛スピードで進化を続ける、17歳の秘密がここにある。



関連記事