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キヤノンオープン 2008

宮里優作が単独2位に

デビュー年の2003年から数えてシード5年目の今年は来季の出場権の確保もまだ保留のままだ。現在賞金ランク53位は獲得賞金1208万8200円。今年は1500万円前後がシード権のボーダーラインという大方の予測からいけば、もう少し足りない。

5月は4戦連続の予選落ちを食らうなど、序盤に出遅れた。
プレッシャーのかかった場面でもブレない。より精度の高いショットを求めて踏み切ったスイング改造と、パットの不振が原因だった。

「ショットが良ければパットがダメ。パットが良ければショットがダメで・・・」。
噛み合わず、取っ替え引っ替えしたパターは今年、20本を越える。
「以前は見た目がダメだった形でも、性能重視で試してみた」。
ピンタイプの愛用者が食わず嫌いをやめて、カマボコ型にも触手をのばし、選び出した1本はオデッセイの変形マレットタイプだ。

8月にこのパターに定着してから、次第に上り調子。
そして、この日は「ショットもパットも両方ガチっと噛み合った」。
ボギーなしの65はこの日のベストスコアで単独2位に躍り出て、会場の戸塚カントリー倶楽部は「良い念が漂っている感じがする」と打ち明けた。

やはり、ここで行われた2005年の日本女子オープンは、最終日に空前絶後のギャラリー2万人が集まる中、妹の藍さんが優勝を飾った。
同じ舞台でのツアー初優勝のチャンスに「宮里家と相性の良いコースだと信じてやる」と、力をこめた。

8月18日には長兄・聖志に、長女そらちゃんが誕生して「叔父になりまして」。
また本人も、妻・紗千恵さんが来年2月に出産を控えて「パパになります」と、おどけて笑った。
ラウンド中も、まだ見ぬ子のことを考えると「ミスしても怒れないし、とても前向きになる」。
父親の自覚をゴルフに生かし、おめでた続きの宮里家にもうひとつ花を添えたい。

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