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中日クラウンズ 2008

川岸良兼が2打差の単独首位に

最終18番で3パット。初日の13番から、41ホールぶりにボギーを打ったが「気持ち悪いくらい今週はついてる」と、サバサバとしたものだった。むしろ、ホっとしたように言った。
「昨日に引き続き、今日もノーボギーだったら気持ち悪くて寝れないよ!」。

2位と2打差の単独首位に立っても、前向きな言葉が出てこない。
「調子が悪すぎて、ピンに向けない」。

難コースを前に、理想どおりのショットが出来ない。
体現したいのは、「体でボールを持って行くイメージのスイング」。
しかし、なまじ「腕力」があるだけに「つい手打ちなって、ショットが全部、スライスになる。落ち着け、落ち着いて、ゆっくりスイングしろと言い聞かせても出来ない。今回は運がいいだけ」。

いっこうに、リーダーらしい言葉が出てこない。

昨年は、5年ぶりに賞金ランクによるシード落ちを喫し、「生涯獲得賞金25位内」の資格を行使しての参戦だ。
「生きていても仕方ない」とコメントして周囲を絶句させたのは、出場権すら失った2001年。
89年に鳴り物入りでデビューした怪童も今年41歳を迎え、プロの怖さを知り尽くして痛感している。
「この世界はギャンブルみたい。当たればデカいけど、俺にはその欲がない。この商売に全然向いてない」。

ゴルフが嫌いなわけではない。
「練習は好きなんだよ」。実際に、練習場では思い通りのショットができるのだ。
「それが、なんでコースで出来ないのか…。やっぱり、俺には向いてない」と、結論づけた。
2006年のアサヒ緑健よみうりメモリアル以来の最終日最終組も「チャンスだという気持ちはない」と、川岸。
「でも、娘にオヤジは強かったというところを見せないといけないし、お金も稼がなくっちゃいけないしね」と苦笑した。
この無欲さと徹底したマイナス思考が難攻不落の和合で吉と出るか。

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