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東建ホームメイトカップ 2009

クレイグ・パリーが「ダイエットはしませんよ」

同じ豪州出身だが、その風貌は対照的だ。前日初日に首位に立ったジョーンズは、すらりと長身の1メートル85センチ。
しかしこの日2日目に、変わって首位に躍り出たクレイグ・パリーは1メートル68センチの身長に、体重は90キロ……!!

風がやんだ絶好のコンディションの中、好調のショットで面白いようにチャンスにつけて、8番では15メートルものバーディチャンスを決めるなど、パットも絶好調だ。
「開幕戦で1位は気分がよいね」と、満足そうに巨漢を揺らす。
「ここのグリーンの仕上がりはほんとうに素晴らしくて。まるでマスターズみたい!」との台詞も彼が言うと真実味がある。

20代、30代はまさに世界各国を渡り歩く日々を過ごした。
2002年に世界ゴルフ選手権・NEC招待、2004年には米ツアーのフォード選手権をはじめ、国際試合で通算20勝。

もちろん、世界メジャーの経験も豊富だ。
百戦錬磨の43歳は「そろそろ、時差ボケも堪えるからね。これからは大好きな日本で頑張ります」。
となると、彼が今年の台風の目のひとつとなることは間違いない。

とはいえ、米ツアーから復帰2年目の昨年は、辛いシーズンだった。
1月に、かねてより爆弾を抱えていた左膝の手術に踏み切った。
「昨年のウッズと同じような症状だったんだけど、長年の疲労の蓄積が出たのだと思う」。
9週間ものあいだゴルフはおろか、歩くことすらままならならず、「ひたすら我慢の日々でした」と振り返る。

復帰しても、ろくに練習すら出来ていない状況では満足のいくプレーが出来るわけもない。
たいした成績も出せないまま結局、賞金ランクは48位に終わったが今年は違う。

「足も完治しましたし、このオフはかなり良い調整が出来たからね」と、笑顔も明るい。

男のくせに(?)お喋りなところとその体型を皮肉って、愛妻からぴしゃりと言われたのは「あなたは黙ってダイエットしたら、もっと勝てるはずなのよ!」。
膝もそれほど悪くなることもなかったろう。

妻からの愛のムチに「さもありなん」と、シーフード中心の食生活を試みたこともある。
確かに、健康のためには良かろうが、逆にゴルフの調子は狂うという。

「長年この体でやってきたでしょう? 体重が減ると、スイングにも違和感が出てしまって……」。
つまり、本人にとっては、これがベスト体重。だから、今は無理せずあるがまま。
「もう、ダイエットはしないよ!!」。
その体型から地元では、“ポパイ”の愛称で知られるパリーの今年の目標は、もちろん97年の日本オープンに続く日本ツアー3勝目。
存在感たっぷりのオージーが、初戦から大暴れしそうだ。


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