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VanaH杯KBCオーガスタ 2009
石川遼は単独首位にも…
この日3日目はまず、早朝から日没サスペンデッドとなった前日2日目の第2ラウンドの残り9ホールを回った。その時点で2打差の首位に立ち、午後から第3ラウンドをスタート。
13時10分は、うだるような暑さの中でティオフ。
ティショットは左の林の中に消えた。
練習場で、その予兆はあった。「トップの切り返しでマックスのスピードが出ていなかった。フックボールが出ていた」。
引きずったままコースに出て、いきなりダブルボギーを打った。
あっという間に集団に飲み込まれ、そこからなかなか抜け出せない。
攻略できていたかに見えた高麗グリーンも、この日はカップ手前でショートする場面が目立ち、「もう10センチ、20センチ強めに打てていれば」と唇を噛む。
7番のバーディで、一時は首位に10人が並ぶ大混戦から、ようやく抜け出したがコースの至るところで繰り広げられていた怒濤のバーディ合戦に、一人乗り切れていないという思いは拭えなかった。
結局、第3ラウンドの1アンダーには「もどかしい気持ちがある」。
568ヤードの18番パー5で、ティショットを右ラフ。第2打も、右の群衆の中に打ち込み、40ヤードのアプローチも乗せられず、花道からようやく1.5メートルにつけたがこれを外した。
最後のチャンスホールでも、2位以下をさらに突き放すことに失敗した石川は、「今日のようなゴルフだと明日は絶対に勝てないと思います」と、自ら断言した。
この3日間は、今週は会場に来ていない父でコーチの勝美さんに一度も連絡を取らなかったが、「あまりにもスイングがひどいような気がするので、今日はしてみようかな……」。
最終日を前に、いちど相談する必要がありそうだ。
不安を完全に払拭したら、「明日は4日間のうちで、一番気合いの入った朝を迎えたい」と、石川。
「この展開で、守ろうという気持ちが働いてしまうと負ける。僕の上に、まだ選手がいるつもりで、一歩も逃げずにやりたい」。
いちはやく今季3勝目を挙げれば、賞金ランクも1位に浮上する。
夏休み最後の週に、驚異の17歳が熱く燃える。