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VanaH杯KBCオーガスタ 2009

芥屋に最年少ボランティア登場!!

初めは緊張気味の宇野くんだったが…
藤沢市立湘洋中2年の伊藤誠道くんの史上最年少の予選通過が話題になった芥屋で、最年少のボランティアが登場した。大会の地元・福岡市立笹丘小5年の宇野泰成(うのたいせい)くんだ。

当初、宇野くんは移動式スコアボードの業務を希望していた。しかし、身長124センチの宇野君に対し、スコアボードは全長180センチ。

歩くたびに、看板を支える支柱が地面に擦ってしまうということで、やむなく断念。かわりに選手のスコアをチェックして18ホールを回る、スコアマーカーを受け持つことになった。

ジュニア育成の企画で、小学校を招待してボランティアを体験してもらったり、というのは今までにも何度もあったが、その場合はあくまでも補助的な役割程度だった。
今大会は、ブリヂストンスポーツが運営するが、スコアをまとめる速報本部の担当者は、「私どもが運営させていただいたトーナメントの中では、彼より若いボランティアさんの記憶がない。自ら志願して申し込んできてくれたと言う点では、おそらく彼が最年少では」と、証言する。

初日は、さすがにスタッフも心配して、ベテランのボランティアさんと2人体制で担当してもらった。しかし、完璧な仕事ぶりに2日目以降は宇野くん一人で回ることに。
そして2日目は日没サスペンデッドとなり、早朝7時10分から前日の第2ラウンドの残り競技を行うことになった大会3日目。

前半の16番で止まっていた武藤、パリー、篠崎組を担当していた宇野くんは、続く第3ラウンドも含めて計30ホールを元気に回りきった。
周囲の心配をよそに、「全然疲れていないよ」と笑顔で答える様子にはスタッフも感心しきりだった。大人顔負けの働きぶりが、選手の間でも評判だった。

レッスンプロについて、本格的にゴルフを習っているという宇野くんにとって「プロの思いきりの良いショットや雰囲気はものすごく勉強になった」という。
その1打1打を食い入るように見つめながら、本来のスコアチェック業務もぬかりなかった。
宇野くんが、特に注意して見て回ったのがグリーン回りだった。
「短いパットとか、しっかり見ていないと見逃してしまう」と、パッティング時は高台を選んで立つなど、機転を利かせた。

そして迎えた最終日。プロゴルファーを目指しているという宇野くんにとって、願ってもないチャンスがやってきた。
この日受け持つことになったのは藤田寛之と菊池純と、そしてジュニアのヒーロー石川遼の最終組だ。

スタート前は、「ちょっぴり緊張しています」と言っていた宇野くんだったが、それもすぐにほどけた。石川が、途中「何年生?」とか、幾度となく話しかけてくれたからだ。

そして、一息もつけない大混戦の優勝争いを演じながらも、その合間にときおり宇野くんの体調を気遣って、「大丈夫?」と何度も声をかけてくれた石川の優しさに感動したという。

残念ながら勝負には敗れたが、13番でロストボールという憂き目に合いながらも「遼くんはすぐに14番でバーディを取り返したり、自分のペースを取り戻したところが凄い!」と、その強さの秘密をもっとも近い場所で見られたことは、何物にも変えがたい貴重な体験となった。
ホールアウト後に石川からもらったサイン入りのグローブは一生の宝物となった。
大役を終えた宇野くんを出迎えたお母さんの礼美さんと弟の寛生くんに開口一番、「遼くんはもの凄く格好良かった!」と、弾む声で報告した。

翌月曜日に新学期を控え、すっかり日焼けした宇野くんが「最高の夏休みになりました!」と元気に言った笑顔がまぶしかった。

  • プレーが進行するにつれていつもの本領発揮…!! プロの大きなストライドに合わせ、小さな歩幅で懸命について歩く!!
  • 1ホール終わるごとに、専用機械で選手のスコアを報告!!
  • 石川遼にもらったグローブは、一生の宝物
  • お母さんと弟に、この日の石川がどれほど格好良かったかをさっそく報告する宇野くんだった

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