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VanaH杯KBCオーガスタ 2009

ジュニアの中里くんと香妻くんが、充実の2日間

ツアー初戦の香妻くんは、「プロの舞台はそう遠くないと感じた」と頼もしい
大会が推し進める「ジュニア育成プロジェクト」で参戦している4人のジュニアのうち、スタートが4時間半も遅れたこの日は、もともと、午前のトップスタートだった2人が戦いを終えた。

杉並学院高2年の中里光之介くんは、通算7オーバーの137位タイ。
日章学園中3年の香妻(こうづま)陣一朗くんは、通算9オーバーの139位。まだ半数の選手がホールアウトしていないため暫定順位ではあるが、見込まれる上位60位のカットラインには遠く及ばず、揃って予選落ちが濃厚となった。

ツアー初出場の香妻くんは、「ラフの長さとか、グリーンの硬さとか、プロの試合は本当に難しいと感じた」と悔しげに言った。
「やっぱり、ドライバーの正確性をあげないと、食い下がっていけない。今日は、アプローチも悪かった」と、口から出るのは反省ばかりだ。

それでも、プロの世界は「思っていたより、遠くない」と感じられたことは収穫だった。
「僕も頑張って、いろんな面を上達させていけば、なんとかなるかもしれない」と、確かな手応えを掴んでいる様子が頼もしかった。

これがツアー2戦目の中里くんは、この日2日目のスタートが4時間半も遅れたことに、戸惑った。「待ち時間に寝ちゃって。爆睡してしまって」。
目覚めたのは50分前。「体が動かないままスタートして18ホールが終わってしまった」と、後悔しても、あとの祭りだ。

そんなハプニングもありながら2日間を戦った。手応えはけっして悪くない。
「でも、何かが噛み合わない。流れが来ない。結果がついてこないのが悔しい」と唇を噛む。

高校のひとつ先輩の石川遼が1年生のとき、16歳でツアー初優勝をあげたことで、中里くんの人生も変わった。
「石川先輩が勝っていなかったら、高校を卒業して、大学に行って、プロ入りはそれからだと思っていた」。

しかし、先輩の快進撃を見せつけられて、おちおちしていられなくなった。
「先輩についていかないとダメだと思った」と、ツアーの出場優先順位をかけたクォリファイングトーナメントは、昨年の2次予選から挑戦。
3次で落ちたが、再挑戦の今年こそ必ず最終ステージまで進み、今年中にプロ転向の青写真を描いている。

それだけに、セカンドQTを目前に控えたこの時期に、こうして主催者のご厚意でプロの舞台に挑戦できたことを、喜ぶ。
「ほんとうに良い経験をさせてもらいました」と中里くん。
今回の挑戦で、痛感したのはメンタル面の弱さだ。
「僕は、ミスのあとに落ち込んでしまい、それを引きずってボギーを打ったりしてしまう」。
その弱点を「今後はどう生かすか」。
やるべきことが、くっきりと見えてきた。何よりも有意義な夏休みになったようだ。

ジュニア育成プロジェクトの一環で、プロの舞台に挑戦しているのは他に2人。
福井工業大付属福井高3年の森博貴くんと、藤沢市立湘洋中2年の伊藤誠道くんは、この日2日目のうちにホールアウト出来ず、森君は現在、後半の4番ホールを終えて、通算2オーバーは暫定106位タイにつけている。
伊藤くんは、後半の13番ホールを終えて、通算3アンダーは50位タイ。14歳と20日の史上最年少予選通過にむけて、楽しみな位置にいる。
  • 中里くんは、セカンドQTを控え「良い経験をさせてもらった」と主催者に感謝した

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