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ANAオープン 2009

ホストプロが6位タイで大会初の決勝ラウンド進出へ

石川遼は、前日初日から引き続き、この日2日目は10番まで27ホール連続でボギーなしのラウンド。17番でバンカーから枯れ葉の上に乗っかったボールを普段よりも倍以上、ボールから離してクラブを構える不自然なアドレスで打ち、グリーンをオーバーさせるピンチも乗り越え、通算6アンダーは6位タイで迎えた最終18番で、パーパットを沈めた際に、「実は心の中で、凄く大きなガッツポーズをしていたんです」と安堵の笑みで打ち明けた。

毎年、誕生日と同時に迎えるトーナメントは、大会主催の全日空とスポンサー契約を結ぶこのホスト大会。17歳の昨年は、予選落ちを喫した。
そればかりかこのあと続くホスト大会4試合でも全敗し、不甲斐ない思いを噛みしめた苦い記憶があった。

「今年、初めて予選通過が出来てホッとした」。
同時にデビュー元年の昨年は、どれほど周囲の気遣いに救われてきたかを思い知る。

日本を代表する大企業と億単位の契約を結ぶたび、マネージャーを兼任していたコーチの父・勝美さんが、「長い目で見てやってください」と各社に頭を下げて歩いた。
その思いを理解して、「今は石川に結果は求めない」というスポンサーの気遣いを感じた。

「きっと、予選落ちするたびに複雑な思いでいたのはむしろ僕ではなくて、スポンサーのみなさんのほうで。それでも、そういうのが直接、耳に入って来ることはなかった。

気にしなくていいよとか、いつも通りにやればいいから、と励ましていただいたおかげで、そのあともゴルフに集中出来ることが出来たんです」と、感謝する。

人々の心遣いを感じ取れる鋭い感性を持ち合わせているだけに、18歳の今年こそ恩返しをとの思いは強い。

今季1勝目を飾った6月のミズノオープンよみうりクラシックで、予選2日間を同じ組で回った鈴木亨の言葉がよみがえる。
主催のミズノ所属の鈴木がそのとき、ホストプロとしての思いをこう吐露していた。
「絶対に、予選は通過しないと」。
そして願わくば最終日に優勝争いをして、大会を盛り上げたいという責任感で一杯のようだった。
「ホストプロとはそういうものなんだ、と。改めて痛感させられた」と、石川は言う。

だからこそ、「明日からが本当の勝負」だ。
「18歳になった今年もたくさん優勝争いに絡めるように…。今週は1試合目からそうなるように」。
週末も、4打差のリーダーを懸命に追いかけていく。

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