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ANAオープン 2009
ディフェンディングチャンピオンは「良い意味であきらめのゴルフで」
同組の石川遼がプレーを終えるなり、次のホール目指して動き始めるギャラリーに、ついに矢野東は我慢が出来なくなってしまった。
「バーディのときくらい、僕を見てよ!」とホールアウト後におどけたが、まさかコースでそんなことは言えない。
「そんなことで、集中力を欠く自分が悪いのは分かっているんだけど、やっぱりバーディパットで動かれたらやっぱり寂しい…」。
序盤は、そんな葛藤との戦いでもあった。
「気にしないようにしようと思っても、僕は気にしてしまうんです。出来ればプレー中は、止まっていて欲しかったのに……」。
しかし後半から、そんな思いをすっぱり捨てた。
「良い意味で、開き直った。諦めてゴルフをするようにしたら、それが奏功した」と、
後半3つのバーディで持ち直し、通算7アンダーは首位と3打差の3位タイは、連覇も視野に決勝ラウンドに進出した。
3日目は、ひとまず石川と前後で組が別れたが、ホールアウト後に「最終日にまた一緒に回ろう」と約束した。
そのときまでに、どんな状況でも集中力を切らさない手段を講じるか。
それとも、ギャラリーの動きさえ気にならないほどの独走態勢を、がっちりと築き上げておくか、だ。