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日本オープンゴルフ選手権 2009
賞金レースの2人は明暗
昨年の古賀ゴルフ・クラブは、あれほどシビアなセッティングにもかかわらず、頑固なまでにドライバーで攻め倒した石川が、あれから1年たって、数々の経験を重ね、この日初日は直感でアイアンを握り、バーディを奪う場面があった。
372ヤードの15番パー4だった。
ティグラウンドに上がるなり専属キャディの加藤大幸さんに、「ピンはどこ?」。
「手前のエッジから9ヤード」と聞くまでは、当初から決めていたとおり、ドライバーで行くつもりだった。
「でも、そのピンの位置に対して、ラフから打つのは難しい」ときゅうきょ、攻め方を変更した。
3番アイアンで打ったティショットは左のバンカーに入れたが、「ラフよりも、バンカーから打った方がスピンがかかる」とプラスに捉え、残り139ヤードは9番アイアンで、右手前4メートルにつけて、これを沈めた。
「以前は刻んで失敗して、本当はドライバーで行ったほうが良かったんじゃないか、と思うこともあったけど。選択に自信が持てれば流れを悪くすることはない。最近ではさまざまな経験から根拠を持って、刻むことも出来るようになってきた」と、ドライバーに人一倍こだわりを見せる18歳も、納得のレイアップでスコアを稼いだ。
9番、10番、12番と3ホールでスライスラインを左に外し、3パットを打つ場面もあったがそれも原因は自分の中で消化できているようで、スコアを崩す原因にはならない。
平日にもかかわらず、詰めかけたギャラリーは7843人。その中心に常に身を置く本人も「本当に、今日は初日なのかな」と首をひねったほどの大観衆の前で、そつのないゴルフで成長した姿を披露した。
まずは好スタートに「今日の第一関門は突破出来た」と満足そうに、「これからまた2日目、3日目とだんだんコースに慣れていくと思います」と、さらなる上昇を、誓っていた。
一方、石川に獲得賞金で200万円差まで迫る池田はスタートの10番で、ラフを渡り歩いていきなりダブルボギーの出足に「今日は流れが悪かったからしょうがない。明日は、出来ればアンダーパーで」と、巻き返しを誓っていた。