Tournament article
ブリヂストンオープン 2009
プロ4年目の額賀辰徳(ぬかがたつのり)が単独首位
さらに14番で、横7メートルのバーディチャンスを決めた。
15番は、右の奧のグリーンエッジからパターでねじ込み、そして16番のイーグルは、左手前のバンカーからチップインだ。
後半のアウトコースはそれに比べると伸び悩んだが、前半の貯金が気を楽にしてくれた。「後半はスイングの調整をしながら回る余裕があった」という。
中央学院大時代は、日本学生、朝日杯、アジア大会メダリスト…。また2004年の日本オープンでローアマチュアに輝くなど、向かうところ敵なしだった。
183センチの身長から繰り出す豪快な飛距離を武器に、勝ち取ったタイトルは数知れない。2006年は、プロ転向当時のチャレンジトーナメントで380ヤードのパー4をワンオンして周囲を驚かせたこともある。
活躍が大いに期待される大型プレーヤーだが、本格参戦の今季は現在賞金ランク77位と、目標の初シード入りにはまだまだ足りない。
自らそのウィークポイントに挙げるのが、「ショートゲームの距離感」だ。
「5ヤード前後の距離感のミスが多くて」。
そのせいで、圧倒的な飛距離も十分に生かせていないと感じていた。
そんな悩みの解決のヒントは先週の日本オープンにあった。
当初は、出場権がなかったこのゴルファー日本一決定戦は、地区競技の北海道オープンで2位につけて権利を得た。
残念ながら予選落ちしてしまったが、出た甲斐はあった。
予選ラウンドで回った豪州のブレンダン・ジョーンズもまた、ツアーきっての飛ばし屋で、難コースもドライバーで果敢に攻めるのも額賀と同スタイルだが、ただショートアイアンの距離感が抜群だから、たとえラフに入れてもチャンスが作れる。
そこで自分と大きな差が生まれると感じたのだ。
中でも注目したのはクラブセッティングだ。ジョーンズが使っていた54度のウェッジが、自分にも使えるとふんだ額賀はさっそく今週、バッグに入れた。
そのかわりに5番アイアンを抜いたのがハマった。
後半の7番でも54度でピンそば30センチにつけたように、「110ヤード前後のショットで大活躍してくれた」と、確かな成果も実感することが出来ている。
通算6アンダーは、自身初の単独首位につけた額賀は「まだ初日。順位は考えないけど、守りたくはない。強い気持ちで攻めていきたい」と前向きだ。
目標は、やはり自身初のトップ5入り。
そうして、マンデートーナメントから挑戦するつもりの次週のマイナビABCチャンピオンシップの出場権が獲得出来れば、おのずと初シードも見えてきそうだ。
額賀辰徳 ぬかがたつのり
1984年3月28日生まれ。茨城県出身。小中はサッカー部。しかし当時はいまほど体格にも恵まれず、「サッカーにも飽き始めていた」。ゴルフに出会ったのはちょうどそのころ。近くの練習場に通いつめ、めきめきと腕をあげた。
地元茨城の鹿島学園高から、千葉の中央学院大へ。
関東アマ連覇、日本学生、朝日杯、アジア大会メダリスト、2004年日本オープンローアマなど、輝かしい成績を引っさげて2006年にプロ転向。
4年目の今年は、チャレンジトーナメントランク6位の資格から、初シード入りを狙う。