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マイナビABCチャンピオンシップ 2009
石川遼は、連覇ならず……
「それが悔しい」と、唇を噛む。
午前中は、蒸し暑いほどの秋晴れの天候も、石川のゴルフはスタートから曇りがちだった。
1番でバンカーからバンカーを渡り歩いて、3打目は大目玉。
脱出に失敗し、5メートルのボギーパットを沈めて渾身のガッツポーズを握ったのもつかの間、2番で今度は奧のラフに打ち込み、寄せきれない。
連続ボギーに早々に戦線から脱落して「逆転優勝は厳しいとか、そういう気持ちにもなれなかった。あといくつ伸ばせばとかも、思わなかった」と、悔しそうに振り返る。
中盤からは、雨模様の悪天候にもかかわらず、いっこうに減らない大ギャラリーの前で披露した7番パー4(362ヤード)のワンオンや、最終18番で195ヤードから5番アイアンで4メートルにつけたイーグルが、せめてもの見せ場だった。
そのほかは、ティショットが終始「引っかかり気味。体が開き、アウトサイトからクラブが入っていた」と安定性を欠いて、「今日は悪いところを直して来週につなげたいとだけ思っていた」と、チャンピオンの鈴木亨のかたわらで、ひたすらスイングの軌道修正に励むしか、やるべきことが見いだせなかった自分が歯がゆい。
3打差の6位タイは、賞金ランキングでも池田勇太を抜くことが出来ず、勝負は次週の世界の舞台へ。
上海のシェーシャンGCで行われる「HSBCチャンピオンズ」は、その池田と揃って世界ゴルフ選手権の舞台を踏む。
「また一からやり直しです。中国に行って、練習をして、試合を通して修正をして、その後の日本の試合につなげたい」と、悔しさをこらえて懸命に前を向いた。