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マイナビABCチャンピオンシップ 2009

星野英正が首位キープ

地元・仙台からここ兵庫県の西宮市に移り住んで9年目。第二の故郷といってもいい思い入れのある地で開催される、このマイナビABCチャンピオンシップで「勝ちたい気持ちは大いにある」と、開幕前から気合いが入っているが、そんな熱い思いをますますあおったのが、首位発進した前日初日だ。

ホールアウト後の風呂場で谷口徹に言われた。
「おぉヒデ、今日はナイス!」と褒められて、気を良くしたのもつかの間だった。
「…でも、今日1日だけやろう?」と、からかわれた言葉は、翌朝まで残っていた。

谷口流のゲキに、まんまとハマった。
「絶対に、今日も60台で回ってやる」と気合い十分のインスタートは、逆に力が入りすぎて12番でボギーが先行したが、近ごろ好調を取り戻したショットは相変わらず。

また、この日は名物の高速グリーンに加え、エッジから3〜5ヤードのシビアなピン位置も多かったが、パット巧者は「全然、気にならなかった」と、涼しい顔だ。

ABCゴルフ倶楽部のコース管理のみなさんの手で、非の打ちどころもなく完璧に仕上げられているおかげもあって、「どこに乗ってもなんとかなると思える」と、自信満々の首位キープだ。

近年は毎年のように、アレルギー性の鼻炎や目のかゆみ、ひどいときにはめまいなどに襲われて、つらい思いを繰り返してただけに、「強い体になりたいと思っていた」。

その思いを知っていた親友のS・K・ホにオフのある日に呼び出されて出かけていくと、マッチョな体育会系の男性陣がズラリ。

アスリートのためのウェアメーカー「アンダーアーマー社」の人々だった。
その日は、夜中の2時まで話し込み、その場でサプリメント契約を結ぶことが決まった。
同時に、アメフト出身者が多いスタッフの指導のもと今までにないハードなトレーニングをスタート。また、大家さんのご厚意で、星野の近所に引っ越してきた東北福祉大の後輩、久保超路の豪華マンションの一室を改造してトレーニング部屋も完成した。

シーズンが始まってからも、打ち込みよりまず筋トレを優先に、毎週月曜日に汗を流すことを日課にしてきた。
おかげで体重は5キロ増。しかも、この時期は3〜4キロ減が常だったが、今年は今も開幕前の74キロをキープしている。
「以前は秋によく腰が痛くなったりしたけれど。今はそれほどひどいものじゃない」と、怪我のしにくい体が出来上がった。
さらに1ヶ月前から下半身中心のメニューに切り替えてからは、ますますその効果を実感している。

デビューからいきなり5試合連続の予選落ちを喫し、初の決勝ラウンド進出を果たして涙したのが2000年の今大会だった。
あれから9年。身も心も逞しく生まれ変わって、昨年のUBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ以来のツアー通算4勝目を狙う。

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