Tournament article
ダンロップフェニックストーナメント 2009
ビジェイ・シンは「勝つためにここに来た」
その間、昨シーズンを含めて3度の米ツアー賞金王。あのウッズから、世界ランク1位の座を奪ったこともある。
その活躍ぶりは、40歳を超えてからますます顕著で46歳を迎えた今も、「世界一」と言われる練習量と、たゆまぬ鍛錬でムチのようにしなやかな肉体をキープしている。
ますます円熟味を増したフィジーの英雄が、フェニックスに帰ってきた。
今季は、シーズン途中に膝を痛め、それをかばっているうちにスイングまで壊した。
手術をしてほぼ完治したが、壊れたスイングは戻らなかった。
さらに改良しようとして、「ドミノ倒しのように、うまくいかなくなった」。
反省して原点回帰。
「もとのスイングに戻したことで、徐々に本来の調子になってきた」という。
賞金ランキングは68位、プレーオフシーズン終了後のフェデックスポイントは81位。
3度目の賞金王に輝いた翌年としては、物足りない結果に終わっただけに、久しぶりの来日には燃えるものがある。
「今週からすでに、来年にむけた再スタートが始まっていると思っている」と、気合いがみなぎる。
ただ、胸にある思いはひとつだけだ。
「この大会で優勝すること。それだけを思ってここに来た」。
初日、2日目は10月のプレジデンツ杯でチームメイトとして戦った石川遼と同じ組。
「遼が素晴らしい選手であることは間違いない。特に、あの若さでメンタル面のコントロールが上手いのには感心した。将来、長く世界で戦う素質を持っている」と、本人もべた褒めした18歳の目の前で、本戦では百戦錬磨のベテランがどんな形でそのプライドを剥き出すか。