Tournament article
カシオワールドオープン 2009
川岸が、佐藤らベテラン勢がシード落ち
ボーダー線上に立つ選手にはもちろん、“圏内”にすら入っていない選手には、なおさら絶対に外せない大事な1戦なのだが……。
決勝ラウンドにすら進めずに、一足早くシード落ちが決まってしまった選手がいる。
賞金ランクは115位で今大会を迎えた川岸良兼(=写真上)は、72位タイで17回目のシード権の確保に失敗した。
2001年にも、それまで11年守ってきたシード権を失って「生きていても、仕方ない」と言うほど打ちのめされた。それから2年で再び這い上がってきたが、一昨年にも賞金シードを失い、翌年は1年1度限りの生涯獲得賞金ランク上位25位の資格を適用するなど、どうにか首をつないできたが、低迷は続いていた。
「もう、俺なんかどうなってもいいよ」と、今回も半ば捨て鉢のコメントを残したが、来月2日から茨城のセントラルゴルフクラブで行われる予選会「ファイナルクォリファイングトーナメント(ファイナルQT)」は予選4日と決勝2日の計6日間の長丁場に向けて、「俺は、体力だけは自信があるから頑張る」と、懸命に気持ちを奮い立たせていた。
今大会は66位に終わった佐藤信人(=写真下)もツアー優勝による複数年シードを含め、12年間守ってきたシード権を失った。
不振の今季を振り返り、「何が問題なのか分からない。それが問題だった」。ショット、パットの噛み合わせの悪さを最後まで引きずって、「何をどうすればいいのか」。
焦りばかりが高まって、いっこうに立て直せないままにこの最終戦を迎えた。
夏を過ぎたころに早くも抱いた「今年はQTに行くんじゃないか…」。悪い予感が的中した。
シーズン途中には、気分転換にあえて興じたカラオケでも、吹っ切れなかった。
しかし、先週のダンロップフェニックスもとうとう61位に終わり、それでようやく気持ちが切り替えられた。
「QTに行く」。覚悟が決まると、逆に今週は「今年初めて、楽しくゴルフが出来た」という。
この日2日目は最終9番で9番アイアンの第2打を引っかけて、左奧15メートルにどうにか乗せたバーディパットも3パット。最後のボギーがたたって1打差の予選落ちこそ喫したが、「土日に休んで備えます」と、逆にプラスに捉えている。
「来週こそ、前向きになれると思います」と、最後にどうにか笑顔を作って高知を後にした。