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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2009
池田勇太も祝福
賞金ランクは2位のまま終わった。
賞金レースには敗れたが、ホールアウトしたそばから「そんなことは、もう忘れたよ」と、言ってカラカラと笑った。
心には、ただ爽快感だけがあった。
シード元年にして、今季4勝。
「1年目にして、これ以上ないくらいの結果が残せた」と、晴れやかな笑顔で振り返る。
「俺も、支えてくれた回りの人間も、大きな事故もなく無事終われた。やりきることが出来た。それだけでも良い1年だったと思う」と、大きく頷く。
そんな納得の1年も、特筆すべきはまずはやっぱりツアー初優勝の日本プロ。
そして、ホスト試合を制して恩人たちを喜ばせた10月のブリヂストンオープン。
さらに、その2つの活躍の原点となったのが、開幕戦は3位タイにつけた「東建ホームメイトカップ」だった。
「初めての年の、初試合でぽんと行けたのはひとつ大きかった」。
あれこそ、平成の“若大将”の出発点だった。
そして、それをますます引き立てたのが、若きライバルの存在だ。
「遼は若いんだけど、プロのゴルフをする。去年、一昨年はまだそういう感じがちょっと薄かった感じがした。でも今年なんか見てると勢いもあって、素晴らしかったと思う」。
そんな18歳を相手に自分も全力でぶつかって、持てる限りを出し尽くした。
特に大事な終盤戦は、満身創痍の状態で迎えながら、欠場してもおかしくはない状況にもムチ打って毎週、コースにやってきた。
「遼も、俺も。全力を尽くした結果がこれだから。俺の中で悔いが残るというのはない。俺は結果には十分に納得しているし、遼には顔を見て、ひとことおめでとうと言ってあげたい」。
来年は、ぜひリベンジしたい。
「もちろんいつかは自分も賞金王という気持ちはある。来年はまたひとつ、スケールの大きな池田勇太になって、またこの大会に帰って来られればいい」。これからも、若い2人でツアーを引っ張る。