Tournament article
関西オープンゴルフ選手権 2009
連覇を狙う、石川遼
インの9ホールを選んだのは、初日が10番ティからのスタートだから。
フェアウェー幅がぐっと絞られている上に、左右にOB杭も目につくコースでも、あえて「刻むのは14番(367ヤード)のパー4くらい」と、改めてこだわりのドライバーを再チェック。
また、ラフからのショットやグリーン周りのアプローチにも十分な時間を割いた。
北海道のトーナメントが2週間、続いたあと1週空いて全米プロ。
洋芝を3週間経験したあとの野芝は大きくフライヤーしたり、距離感が難しい。
2打目以降も長いクラブを持たざるをえない総距離7647ヤードのへーゼルティン・ナショナルGCでは、確実にパーオンさせたいという意味でフェアウェーキープの重要性を痛感させられたが、6682ヤードのここ宝塚ゴルフ倶楽部では、たとえ短いクラブでも「グリーンをピンポイントで狙ってバーディチャンスを作る」という点ではまた同じだ。
「全米プロとは、また違った難しさがある」という石川が、このコースを回るのは2006年に県代表で出場した兵庫国体と、今年6月22日に報道関係者を招いて行われた視察ラウンドと、この日と合わせて、計4.5ラウンドほど。
事前の準備を何より大事に考え、場合によっては前週にコース入りすることもある石川にとっては十分とはいえない今回の調整も、せめて内容の濃いものにしようとその目つきは真剣そのものだ。
海外遠征中もハードなトレーニングを欠かさず、12時間ものフライトにも「時差ボケもないし、体調は凄く良い」と言ってのけるタフネスぶりで、「明日から万全の体勢で臨める」と、自信をのぞかせる。
まだツアー外競技だった昨年大会で、プロ初優勝。4日間とも首位を守った人生初の完全Vは「自分を大きくしてくれたのがこの大会。自信を持てと言われた1週間だった」と、振り返る。
そのあとツアー3勝をあげて、メジャーは3試合に出場。さらに逞しさを増して、思い出の大会に戻ってきた石川は、「全米プロで経験したことを、すぐにぶつけたい気持ちがある。最後まで優勝の可能性のある位置でプレーしたい」と、連覇を見据えた。