Tournament article

〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2009

矢野東がぶっつけ本番のラウンドに…

やっぱり、無理がたたったと思った。スタートの10番パー4は、「テイクバックを上げた瞬間に、くららくらっと来た」。

ティショットをOB。のっけのトリプルボギーに、棄権も頭をよぎった。
何しろ、極度の時差ボケで、前夜は一睡もしていない。

「ぼーっとしちゃって。最初は何をやっているのか分からなかった」。それでも、キャディの小岸秀行さんに、「とりあえずハーフまで様子を見ましょう」と言われて踏みとどまった。

すると13番あたりから「視界良好になってきた」。本来の調子の良さが徐々に戻って14番から5バーディ。
「俺って、けっこうすげえや」。
自画自賛もつかの間、あがりの8番のダブルボギーを打った瞬間に「また眠くなっちゃった」と笑ったが、この日1オーバーは過酷な条件の中でのスコアにしては、悲観するべきものではない。

また、ここよみうりカントリークラブは大幅なコース改造で、「全然別ものになっていた」。
グリーンの形状も変わり、一昨年までの経験はほとんど役に立たず“ぶっつけ本番”どころか初めて回ったコースに等しく「その中で、よくやりましたよ。上手いですよね」と、腫れぼったい目をして自分を褒めた。

日本勢として、ただひとり予選通過を果たした先週の全米オープンは、サスペンデッド続き。
翌週の月曜日まで競技がずれ込み、ようやく成田に到着したのは前日水曜日の午後3時半だ。
その日のうちに、新幹線で大阪入り。
夜10時半に宿舎に着いたものの、いっこうに眠れなかったという。

結局、朝まで目が冴えたまま、この日は7時にベッドから出た。
せめて練習は入念にと、スタートの2時間半前にコースに来たが、「そのときからヤバかった」。
寝不足によるめまいを消し去れないまま、ティグラウンドに立ったのだった。

ホールアウト後のサイン会も、笑顔もどことなく朦朧として……。
それでも長い列をきちんと最後までさばいて、「帰って寝ます」と矢野。
「今日寝れさえすれば大丈夫です」。
せっかくの強行軍も、メジャー直後の予選落ちでは締まらない。

関連記事