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〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2009
横尾要は首位タイに「これも今日だけの話」
帰国して早々に「やっぱり向こうはレベルが高い。パワー勝負の飛ばし合戦は、僕では通用しない。僕は日本でやらないと…」。
なかば諦めにも似た後ろ向きなコメントがついて出た。
やはり今回も、打ちのめされて帰国したことを伺わせたが、手ぶらではなかった。
今季メジャー第2戦の舞台となった、ベスページ・ブラックのラフはおおざっぱに分けて4段階あった。
もっとも長い「ススキみたいなヒース」は、サンドウェッジでも脱出出来ないことが多々あったが、一番短いセミラフさえも、運が悪ければボールが潜り込んで容易には打てない。
常にそういうプレッシャーにさらされながら戦った分だけ今週は、楽な気持ちでティショットが打てる。
「あそこのラフに比べれば、大したことないと思える」。
それになんといってもグリーンだ。
「日本は本当に仕上がりが素晴らしい、と実感出来る」。
向こうのグリーンは、スパイクマークだらけでトッププレーヤーさえも、短いパットを外していた。
「あれに比べたら、日本は1メートルも怖くない」。
この日はそんなメジャーでの体験を「プラスに転じることが出来た」と横尾は言う、
そして好材料はまだある。
2年ぶりに舞台が戻ったここよみうりカントリークラブは、苦手だった。
今年、改造が加えられる以前は「ただ漠然とドライバーでガンガン攻めて、OBばっかり」。
しかし全体に高低差を減らし、ベントの1グリーンとなり、微妙なアンジュレーションがついてからは「落としどころを考えて、ピンポイントで攻めていかないといけなくなった」。
より戦略的に生まれ変わったコースが、横尾には良かった。
「やたらに攻めてもダメになったことで、1打1打考えながらプレーしたのがうまくいった」。
ピンチらしいピンチもなく、ボギーなしの5アンダーにつながった。
先週の経験を織り交ぜながら、ひとしきりこの日の成果を語ったあとで、「…まあ、でもそれも今日だけの話でね。明日は予選落ちかも分からないし」。
最後はやっぱり、後ろ向きなコメントで締めたが…。