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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2009

石川遼が、狙うはホスト大会初優勝

このホールから合流した片山と、ワンオン合戦に興じる石川(左)。大画面を確認して、大喜びだ。
この日水曜日は大会前日の練習日。後半のインコースは宮本勝昌と宮里優作、そしてクラブハウス前のインターバルを通過して、残すはあと2ホールというところでひょっこりと片山晋呉も合流した17番で、ホストプロの目が輝いた。

左ドッグレッグはショートカットすれば、ワンオンも狙える357ヤードの打ち下ろしのパー4は、ティグラウンド横に126インチの大画面が設置され、その成果が見られるようになっている。

選手も、ギャラリーも楽しめる。主催者が仕込んだこの趣向には、石川も大喜びだ。

「あそこに1日中いるギャラリーの方もいると思う。僕も、あのホールはすっごく楽しみ。今年はオーガスタ、全英オープン、全米プロと経験できて、向こうでもオプションホールをいろいろ体験したけれど。それらと比較しても、今回のは日本らしくないというか一番面白いかも。そういうホールが日本にもあるのが嬉しい!」と、声を弾ませこの日はさっそく3発トライ。

1発目は「アゲンストのときを想定して」、まずは刻んで3番アイアンで打った。
2発目からは、もちろんドライバーでグリーン手前の花道と、最後は送電線に当てて右のバンカーに打ち込んで、この日はワンオンには失敗したが片山らと一緒に声をあげて、本戦前のしばしの余興を楽しんだ。

伸るか反るかの微妙な距離といい、大画面の設置といい。常にギャラリーサービスを意識する、いつも前向きな飛ばし屋ならば、狙わずにはおれない絶妙なホールセッティングに「アメリカならば、きっとアイアンを握ればブーイングが出るホール」と、石川。

石川ならば、フォローの風の際にはキャリーで「300ヤードを飛ばせば、グリーンに届く」。実現すれば、ビジョンでそれがすぐに確認出来て、「その場でうれしさを爆発させられる」。
ギャラリーが期待しているのも、まさにそんなシーンで、本人もそれを重々承知している。
「そういう舞台を整えていただいている限り、僕はスコアよりもそちらを優先する。自分がどこまで打っていけるか、トライしていきたい」。
そして、そんな心意気こそが、何よりホストプロとしての自覚のあらわれでもある。

石川のメインスポンサー、パナソニックが主催する今大会。
昨年の第1回は、予選落ちを喫した。「所属契約を結んでいただいた初めての年で自覚が足りず、自分の立場を100%理解出来ていなかった」。

だが2年目の今年は、ホストプロとしてのプレッシャーも、プラスに変えられるほどの成長をとげて、ここに帰ってきた。

関西地区によく見られる打ち上げホールが多いコースレイアウトは、今季初優勝をあげた6月のミズノオープンよみうりクラシックの舞台にも似て、すでに克服済みだ。
「いろんな経験を積んできて、気持ちにも余裕が出来ている」と、大きく頷く。

前売りチケットもすでに完売し、最終ホールに設置された1769人収容できる巨大なスタンドに今から胸を躍らせる。
「モチベーションも上がって、ワクワクしています。あそこが一杯になるのは最終日の最終組がグリーンに来たとき。ぜひ、そこにいたい」。すでに今季は3勝をあげて、賞金ランクは1位。2年連続の1億円突破にも王手をかけて、絶好調のまま乗り込んできた18歳のホストプロは、ありとあらゆるホールで見せ場を作るつもりだ。

  • 写真の右端が17番ティ横の大画面。ここで、ワンオンしたかどうかチェックできる

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