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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2009

宮里優作が64をマーク

厳しいトレーニングで鍛え上げられた分厚い胸板が躍動した。この日はインスタートの最終18番で6メートルのバーディパット。
上りのスライスフックという複雑なラインを読み切って、何度も振り下ろしたガッツポーズに力こぶが隆々と盛り上がる。
「久しぶりに良いゴルフが出来た」と満足そうに笑う。

この日3日目は、傾斜の上にピンが切られるなど1番ホールから、シビアなピン位置にかえって燃えた。
「試されている」。そう感じた瞬間、「絶対に負けない」と誓った。
「なめられてたまるか、と」。
ベストスコアの64は、タフなコースに打ち克った。

大会初日はショットの不振に、75を打って89位と大きく出遅れた。ホールアウト後に、すぐに自分のスイングをビデオに撮って、修正した。
「アウトサイドに上がっていたバックスイングをインサイド目に引くようにして、ボールが捕まるようにした」。
とたんに息を吹き返し、通算2オーバーは41位で予選を通過すると、ムービングデーの土曜日に、5位タイに急浮上した。

今年序盤は、新しく変えたアイアンの距離感が合わずに苦しんだ。
おまけに今年は走り込みを増やしたおかげで、ますますパワーアップした肉体に、「ボールが飛びすぎてしまう」と、そのギャップに悩まされた。
「これまでより1クラブ以上は飛んで、手前を狙っているのに、オーバーしてしまったりとか・・・。イージーミスが多かった」という。

以前なら、そんなゴルフが続けば、「怒ってばかりいたと思う」。
しかし、今年2月に長女・萊杏(らん)ちゃんを授かって、「多少のことは、気にならなくなりました」。

むしろ、早く家に帰りたくてたまらない。
予選通過するたびに、妻の紗千恵さんに「ごめんね、今週も帰れない」と電話でジョークを言うと、「いや、早く帰ってきてもらったら困るからって、突っ込まれるんですよ」と、屈託なく笑う。

今年は、これまでは、どちらかというと優等生だったイメージを一新。「今年は、自分がやりたいと思っていたことを、すべてやってみよう」と、耳にはピアス。短く刈り込んだへアスタイルと、マッチョな肉体が、実を結ぶ日はそう遠くなさそうだ。

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