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ダイヤモンドカップゴルフ 2010

中嶋常幸が今季初戦

この選手の登場を、首を長くして待っていたファンも多いはずだ。同時にその後の近況を、心配してくださっていた方も。

中嶋常幸が帰ってきた。今週のダイヤモンドカップゴルフはジャパンゴルフツアー第5戦にして、いよいよ自身の今季初戦を迎える。

「お帰りなさい!」と、片山晋呉に満面の笑みで歓待を受けて、嬉しかった。
この日水曜日のプロアマ戦は、前組でまわる石川遼に対して、まるでいちファンのような心持ち。
「久しぶりに遼くんのティショットが見たい」と自分の予定時刻よりも、うんと早くスタートの1番ティに駆け付けた。
そのついでに、石川と一緒にまわるアマチュアの方にまで、手取足取りの指導を始める張り切り様。長いブランクが、そうさせた。

交通事故に遭ったのは、今年1月。
スキー合宿で訪れた青森で、トランクから荷物を下ろしている際に背後から、スリップしてきた車に両足を挟まれた。

幸い骨に異常はなかったが、大腿部が大きく腫れ上がった。
全治2ヶ月。
さらにリハビリに費やしたのも2ヶ月。
年頭からクラブさえ握れなかった4ヶ月。
「もっと忘れてしまうのかと思っていたけれど」。
小学生のころから、厳しい鍛錬を積み重ねてきたゴルフはもはや、人生そのもの。
3ヶ月目に、手のひらからマメが消えたときは、ショックだった。
久しぶりに球を打った瞬間の感触。
今も忘れない。「フェースの芯に、ビシっと当たった」。
ゴルフ場が、恋しくてたまらなくなった。

リハビリの先生が組んでくださった多彩なメニューのおかげで、「まるで入院が、合宿生活」。そう言えるほどに入院先で充実した時間を過ごすことが出来たので、不安はなかった。
順調な回復を見せる中、復帰第1戦に選んだのはやっぱりこの大会。

大会史上最多の過去4勝。
中でも一番新しい優勝は、2002年に7年ぶりの復活V。
しかも今大会は各地の名門コースを巡る、いわゆる“サーキットトーナメント”として知られるが、当時の開催コースもここ埼玉県の、狭山ゴルフ・クラブだった。
そして2008年は、2年ぶり3度目の優勝を飾った日本シニアオープンの会場もここ。
「最高の思い出が残る場所」と、自然と気合いもみなぎってくる。
予選2日間の組み合せが丸山茂樹と片山であることも「有り難い」。今季初戦の相手には、申し分ない。

怪我はまだまだ完治とはいえず、今も治療に明け暮れる毎日だから、まだ大きなことは言えないが、「競技者としての自分を再確認する1週間にしたい」。
トミー中嶋は不滅であることを、思い出の舞台でアピールする。

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