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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2010

上井邦浩が今週2度目のホールインワン、単独首位に(3日目)

同組の石川も、拍手でたたえた今週2度目のホールインワン。この奇跡を最終日こそ生かせるか?!
専属キャディの島中大輔さんと揃って、人差し指と中指を立ててアピール。単なるピースサインではない。「ここで2度目」と言いたかった。使用クラブは、“人生初体験”だった初日は7番、そしてこの日は8番アイアンだった。

一瞬、当たりが「悪かった」とヒヤリとしたティショット。しかし手前8メートルに落ちたボールは2バウンドしたあと、この日もカップに吸い込まれた。165ヤードの8番パー3で、今週2度目のホールインワン。

大会期間中に、同一ホールで2度は、記録の残る85年以降でいうなら史上初の快挙達成に、「ああいうのって、入るもんなんですね」と、本人もその瞬間は茫然自失だ。

この日はスタートからティショットが左右に散らばって、苦戦していた。
4番は右。6番は左の林。2打目は「当たり損ねて」木に当たり、ほとんど距離が稼げなかった。3打目は190ヤードも残り、7番アイアンでようやくピンまで8メートルのカラーに運んだ。しかしこれも打ち切れず、1メートルのパーパットをからがら決めて、安堵したばかりだった。

「ショットは真っ直ぐ行かないし、昨日食べすぎたせいもあって、前半はハンパなく胃が痛くて」。

それだけに8番のイーグルは、大きかった。
「あそこで落ち着けたと思う」。
初日に引き続き、主催の九州朝日放送と、特別協賛のVanaH(バナエイチ)と開催コースの芥屋ゴルフ倶楽部から、再び賞金30万円が贈られることになった美味しい1打を最大限に生かして、1打リードの単独首位に躍り出た。

自身3度目の最終日最終組は、5月の中日クラウンズ以来となるが、「あのときの失敗はもうしない」と力を込めた。
「あのときは自分で、勝てると初めて思った」。その確信が、失敗だった。
「気持ちが前に行きすぎた」。
2位と3打差でスタートした3日目に、1日2つのダブルボギーで失速した。そしてさらに最終日には、石川遼のツアー最少記録(58)にとどめを刺された。

「でも今日は、スコアスコアとかも思わなかったし、あのときの反省は生きていると思う」。
邪念を捨てて、最終日も「平常心で行く」と誓った。
石川が冗談交じりに言った。「2度もホールインワンしたんだから、今週は上井さんが勝つんじゃないですか?」との言葉を現実のものとしてみせる。

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