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フジサンケイクラシック 2007

プラヤド・マークセン「15歳は知らない、見たこともない」

“微笑みの国”と呼ばれるタイ出身。そのお国柄どおり、柔和な性格で知られる男が珍しく顔を真っ赤にさせて怒り狂ったのは最終9番。
残り145ヤードの第2打はピッチングで打つか、サンドウェッジで打つか。
迷いに迷って持ち替えたピッチングでピン奥7メートル。

強い風が吹いていた。「アゲンスト」と読んで、強気で打ったバーディパットは思ったより風の影響を受けずに大きくオーバー。
返しの2メートルのパーパットも外した。
ボギーフィニッシュに、見る見る顔が赤くなる。

今週は、相当気合が入っている。

7月のウッドワンオープン広島で、プレーオフの末に2位。
8月のサン・クロレラ クラシックはリーダーに1打差まで迫りながら、上がり2ホールで連続ボギーを打った。
日本に来て8年目。
海外ツアーで5勝のキャリアを持つ41歳は、何度もチャンスを迎えながらなぜか日本では一度も優勝していない。

実は、石川くんが史上最年少優勝を飾った5月のマンシングウェアオープンKSBカップ。3日目の第2ラウンドで、2打差の首位に立っていたのもマークセンだった。

あのとき、15歳に初優勝をさらわれたことが相当悔しかったのか、「彼のことは見たことがない。どんなゴルフをするかも分からない」と早口で語り、足早にパッティンググリーンに向かった。

専属キャディの上江洲安秀(かみえすやすひで)さんは、ひそかにそんなマークセンに目を見張る。
「いつもは怒らない彼が、あんなに入れ込んでいるのは初めてです」。
そして、こう付け加えた。
「だからこそ今週は、チャンスがあるような気がします」。

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