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PGAフィランスロピー 2000

いったんは諦めた勝利

プレーオフに備え練習グリーンで球を転がす島田
V争いを展開したのは、最終組から4つ前の島田正士、そして3つ前の高橋竜彦、三橋達也だった。
12番まで6バーディを奪って通算14アンダー、トップを走っていた島田が、13番、16 番でボギー。それまで通算13アンダーで来ていた三橋と、16番でバーディを取った高橋が並び、先にホールアウトしていた島田には、もはやチャンスはないように思われた。
しかし、17番で高橋が2メートルあまりのパーパットをはずしてボギー。
三橋にいたっては、島田がグリーンサイドで見守る18番で、ピンまで6メートルの左グリーンカラーからのアプローチを、パターで打って大きくショートさせ、2メートルのパーパットもはずし、絶好のチャンスを逃した。
3人のプレーオフへ突入だ―。

「16番でボギーを打ったけど、諦めずに最後まで一生懸命戦った。でもバーディが取れなくて…一度はもう、三橋の勝ちだと諦めました。13番で3パットのボギーにしてから、だんだんプレッシャーがかかってきて、16番あたりからは痺れて、苦手のパットにもショットにも影響が出ていました。僕はずっとこれまでショット自体が不調で、板井栄一さんとか、服部直樹さんに見てもらっていたんです。打つ瞬間に、体が前に前に出て、腰が流れて軸がずれるのが原因でした。それを、体の移動をしないでそのまま打てるような練習をして、完璧とはいえなくても、前よりずいぶんよくなっていたんです。でも、やはり、プレッシャーのかかる場面では、その欠点が出ていましたね」(島田のはなし)

「本戦の最後のバーディパットは痛かった。あそこのカラーはけっこう、芝が嫌な感じで、ヘッドがひっかかってしまった。…プレッシャーもあったと思う。これで勝てる、これでシードだ、と思ったら、なんかちょっと、おかしくなった。でも、プレーオフは気持ちを切り替えて、挑めたんです。いい試合が、できたと思う」(三橋のはなし)

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