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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2012
シード権争いはひとまず決着、今季の初シードは
うち、初シード入りは9人。中でももっとも勢いがあったのは、やはり今週終了の賞金ランキングは5位の藤本佳則。ルーキーイヤーの今年は、序盤から勢いよく飛び出すと、再三の優勝争いは、さっそく6月に花を咲かせた。デビューからたった5試合目に達成した「日本ゴルフツアー選手権 Citibank CupShishido Hills」でのツアー初Vは、99年のJGTO発足後としては、最速Vのタイ記録だった。
また、同大会の史上最年少V記録。さらにデータの残る1985年以降でいうなら、ルーキー年に日本タイトルを獲得した選手は史上初の快挙だった。
そしてまた、この日は上がりの連続バーディで3位タイにも「他にもチャンスがあって。勝ってなんぼ」と、その観点で言うならば、「それが今週の僕の反省点」。でも藤本にはまだ、1試合ある。「来週は初出場。最後にもうひと頑張りですね」。今週の心残りは、次週のツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で晴らしてみせる。
そのほかの初シード組は、初優勝組が続く。
7月の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」は、韓国の21歳李京勲(イキョンフン)。
やはり韓国のH・W・リューは、10月のコカ・コーラ東海クラシックで初優勝しての仲間入りだ。
賞金ランキング30位につけた中国の呉阿順(ゴアジュン)は、9月の「TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙」で、池田勇太との暗中模索のプレーオフが話題となった。
10月の日本オープンでは絶好のチャンスを久保谷健一に譲るなど、フィリピンのジュビック・パグンサンは勝ち星こそなかったが、賞金ランキングは24位で昨年のアジアンツアーの賞金王の存在感を示した。
また、こちらも未勝利ながら、賞金ランキングは32位のルーキーも見逃せない。川村昌弘はまだ19歳。しかし、まるで熟練のようなゴルフと、年齢にそぐわぬ落ち着きぶりで注目を集めた。飄々とした風貌で、先輩プロからも可愛がられる。
この春には福井工業大付属福井高を卒業してすぐのオフの過ごし方が、「うまくいった」と川村は言う。「練習をして、トレーニングをして、良い準備が出来た」と早速、デビュー年にその成果を出した。
そうはいっても6月の「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」で、藤本と最終組出回るなど、今季幾度かの優勝争いは、本人にも「思いがけない出来事」だった。
「僕はアマの頃のツアーでの経験もそんなになかったし、いきなりここまでやれるとは思っていなかった」と、川村は言う。
まして、シーズン終盤は「頑張れば、日本シリーズも出れるか、出れないかという所まで行けたんですよ、凄いですよね!」。結局、次週のツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の出場資格(国内のみの25位まで)には及ばなかったが今週は、いよいよ自身の今季最終戦を戦い終えて「ここまでやれたのも、まだ免許のない僕の代わりに車の運転や、身の回りのことを手伝ってくれた両親のおかげですね」と、感謝の気持ちも忘れない。
「オフはまた練習です。そして来年は、もっと優勝争いに絡めるように頑張ります!」。
そして初シード組としては、川村に次ぐ順位の賞金ランキング62位につけた永野竜太郎も、また来季に賭ける思いは熱い。もっとも、今週のこの“最終戦”は、「自分の力を3割も出せなかった」と予選落ち。「スーパー悔しい」と、金曜日に無念の思いで一足先にコースを去る間際に、今季を振り返った。
8月のサン・クロレラ クラシックで「戦うコツをつかんだ」という。もちろん、若武者が初優勝を目指すのも大事だが、「それよりもまずは目の前の1打と向き合って、確実に予選通過をすること」。その積み重ねが、プロ5年目の初シードにつながった。
身長181センチの大型選手は、まだ24歳だが「いろんな経験をさせてもらって、自信を持ってプレーできるようになってきた。それを来季につなげたい」。
そのほか、賞金ランキング64位の朴銀信(パクウンシン)。また川村と同期の19歳、浅地洋佑はこのカシオワールドオープンで、大逆転の初シード入りを果たした。