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三井住友VISA太平洋マスターズ 2006
小山内護「僕も年を取りました」
以前は、計測ホールでクラブを「ブン回してた」。
パー5は「常にパー4のつもり。何がなんでも狙ってた」。
でも、36歳を迎えた今は「前みたいに、やたらめったら狙わなくなった」という。
この日の18番。ティショットがバンカーのアゴ。
一瞬、グリーンを狙いかけたが風はアゲンスト。
専属キャディの串田雅実さんに押しとどめられた。
「お願いですから、刻んでください。しっかりパーを取りましょう」と言われて素直に従った。
バーディ、イーグルが見られるスリリングな御殿場の名物ホール。絶好のチャンスホールで、結局パーに終わっても悔しくはなかった。
「むしろ、これをきっかけに後半のアウトで伸ばしていけた。前は、ロングでパーなんて悔しくて仕方なかったのに。・・・僕も、年を取ったかなあ!」。
豪打が自慢の選手が、けっして無理をしない堅実なゴルフで4位タイに浮上した。
7年ぶりのツアー3勝目をあげたのは9月のアコムインターナショナル。
当時、賞金ランク9位に躍り出た瞬間に「手を上げた」。
10月3日時点の賞金ランク10位までの希望者、上位3人に与えられる米ツアーのファイナルQスクールの出場権。
米ツアーへの参戦は、以前からの夢だった。
資格を得て、すぐにエントリーを済ませた。
「飛距離にはもうこだわらない」と言いながらも、本場で試してみたいのはやはり飛距離だ。
「アメリカで、俺も30位内に入れるのかな、とか(笑)。自分がどこまで通用するか、試してみたい」。
心置きなく旅立つためにも、準備はしっかりしておきたい。
この日首位に立った丸山大輔も言ったように、「帰れる場所があるからこそ海外で頑張れる」との気持ちは小山内も同じ。
年間2勝なら、この先日本で3年間のシード権を確保しておける。
「それでアメリカにも行けたら最高だよね!」。
絶好のチャンスは、逃したくない。